営業マンの話を聞いているお客様の中には、最初から商品を買うつもりがない人もいます。単なる情報収集が目的のお客様がいることも珍しくありません。
このような、契約に繋がることがないお客様に対して、貴重な時間は使ってはいけません。見込みのあるお客様に十分な時間をかけて、数字に繋げる必要があるからです。そこで必要になるのが、お客様の本気度を見極める技術です。
商品に対する関心が高く、購入する確率が高そうであれば時間をかけてクロージングするべきです。一方で、明らかに買う気のないお客様であれば、営業マンからアプローチを中止しなければいけません。
ここでは、お客様の本気度を確認するための具体的な手法について解説していきます。
基本的なヒヤリング項目を確認する
お客様の本気度を知るためには、まずは基本的な要素を確認しなければいけません。ヒヤリングの基本項目とは、以下の「4W2H」です。
What |
何が欲しいのか |
When |
いつ欲しいのか |
Where |
どこで使うのか |
Who |
誰が使うのか |
How Much |
予算はいくらか |
How To |
どのように支払うか |
これらの項目に対して、お客様がどのように考えているかを聞き出します。そうすることで、案件として具体化するかどうかが分かります。
例えば、家電量販店の液晶テレビのコーナーです。ただ単に時間を潰す目的で、製品を見ているお客様は多いです。そこで、幾つかの項目について、確認をしてみるのです。例えば、次のような声のかけ方です。
「本日はご家族で利用になられるテレビをお探しでしょうか」
「具体的にお目当ての液晶テレビなどございまでしょうか」
このような基本項目に関する質問に対して、ハッキリとした答えが返ってくれば、お客様が真剣に考えている証拠です。全く買うつもりがなければ、明確に答えることができないからです。
お客様の本気度を見極わめるポイント
特にお客様の本気度を確認するポイントは、「When(いつ)」と「How Much(予算)」の2つの項目です。この2つに注目することで、見込みがあるお客様かどうかを見分けることができます。
買う気のないお客様であれば、この質問に対して曖昧な答えしか返ってきません。例えば、家電量販店に液晶テレビを買いに来たお客様です。 「いつまでに購入したいという時期は決まっておりますか」という店員の質問に対して、次のような返事が返ってきます。
「なるべく早く時期に…」
「年内には買いたいと思っています」
このように、時期が明確になっていない場合、お客様の本気度は低いです。テレビの購入を真剣に考えていれば、いつまでには欲しいという希望を持っているからです。これを確認することで、単なる暇つぶしのお客様であるかを見極めることができます。
これと同じように、「How Much(予算)」も見極めるポイントです。例えば、法人のお客様であれば、購入に向けて必ず予算を確保します。つまり、予算の申請がおりているということは、企業として購入することがほぼ決まってことになります。
そのため、営業マンとしてはそのお客様に注力して、積極的にアプローチしなければいけません。
このように、基本的な項目をしっかりとヒヤリングすることで、商談に繋がるかどうかを判断することができます。とくに、「いつ欲しいのか」「予算はいくらか」のポイントには注目するようにしてください。
営業マンは、全く買うつもりのないお客様に時間を使ってはいけません。売り上げに繋がる見込み客のために時間を使わなければいけないからです。そのため、お客様の本気度をしっかりと見極めなければいけません。
ここで、解説したポイントを理解して、買う気のないお客様には時間を使わないようにしてください。このような取り組みの積み重ねが、営業予算の達成に繋がっていくことを理解しなければいけません。