新規顧客開拓では、多くの営業マンが既存顧客と同じアプローチをおこなっています。紹介したい製品が出たらアポイントをとり、お客様から問い合わせが入ってから対応を始めます。能動的にセールス活動を進めています。
ただ、新規のお客様に対しては、戦略的なアプローチが必要です。お客様と良好な関係を構築するために、計画的にスケジュールを立てることが求められます。
ここでは、新規顧客に対する戦略的なアプローチ手法を解説します。
営業活動を細分化してコンタクト回数を増やす
お客様へのアプローチには様々な方法があります。直接訪問して話すことをはじめ、メール、電話による接触が知られています。
新規顧客では、これらのコンタクトを戦略的に行います。お客様との信頼を早期に築くには、接触する回数を増やすことが重要です。内容よりも回数を重視するのです。そこで、お客様にコンタクトする活動を最小単位に落とし込みます。
例えば、メールであれば以下のようになります。
・アポイントを取るためのメール
・商談の前日に予定の再確認を取るメール
・訪問後のお礼のメール
・打ち合わせで使用した資料を送るメール
・打ち合わせで話した内容(議事録)を送るメール
このように、営業活動を細分化しておきます。そして、これらを他の活動とあわせてスケジュールを立てます。例えば、以下のようになります。
(例)新規顧客への戦略的なコンタクト
コンタクトするネタを作る思考法
コンタクトの回数を増やすためには、そのネタを作る必要があります。ネタは自然と生まれるものではなく、営業マンが戦略的に作りあげるものです。そこで、私がおこなっている具体的な例をひとつあげて、その考え方を解説していきます。
私がどんなお客様でも必ず行なっているのが、「打ち合わせで使用した資料をデータで送る」というコンタクトです。商談では印刷した資料を渡します。しかし、お客様は紙の資料を保管しておくことを嫌います。そのため、ほとんどのケースで捨てられてしまいます。
そこで、商談後にPDFなどでメール送付します。例えば、次のように商談の最後にひとこと伝えておきます。
「紙の資料だと場所をとりますので、後ほどデータで送らせていただきます」
データであれば、物理的な場所を取りませんので邪魔になりません。そのため、断るお客様はいません。しかし、ほとんどのお客様は送られた資料を見ることはありません。よほど気になった製品ではない限り、データを開くことはないでしょう。
しかし、問題はありません。重要なことは、そのデータを見るかどうかではなく、コンタクトの回数を増やすことだからです。
タイミングとしては、訪問日の翌日の朝が良いです。翌日の早々に接触を取ることで、あなたの存在を強く印象に残すことができます。さらに、「資料を送付する」という約束を守ることで、信用に繋がります。
重要なことは、中身よりも回数を増やすことです。この考え方をもとに、あなたの営業活動でコンタクトを増やす方法を考えてみてください。