お客様に良く見られようとして、都合のよい返事をしても意味がありません。なぜなら、お客様はあなたの言葉だけを受け止めている訳ではないからです。
口ではうまいことを言えたとしても、あなたの表情や態度、仕草といった要素がお客様に大きな影響を与えています。
そして、このことを理解するのに役に立つのが、アメリカの心理学者メラビアンが提唱した「メラビアンの法則」です。この法則について、以下の動画で詳細を解説しています。
この法則からも判るように、本心ではない回答(言語)をしても、お客様はあなた表情(視覚)や声のトーン(聴覚)から本心(納期を確認していない)を受け取ることができるのです。
何がお客様に伝わるのか
例えば、商談で見積りの説明をおこなっているときです。価格は予算に収まっているので、「ぜひ発注したい」という意向をもらいました。ただ、月末に商品を使いたいので、お客様は納期を気にしています。
あなたは今月の営業ノルマ達成まで、あとひと契約と迫っていました。当然、この商談を何としても契約に結び付けたいと思っています。そして、注文が欲しいがために都合のよい回答をしてしまいます。
実際の在庫状況を確認せずに、お客様に回答してしまったのです。
「これから発注して、月末には商品が届くということで問題ございませんか?」
「……、あっ、はっはい。 問題ございません」
このとき、「言葉では問題ない」という回答をしていても、「しっかりと在庫を確認した」回答をしていないことが伝わるものです。あなたの表情や態度、声のトーンで自信のなさが伝わるからです。
このシーンをリアルに想像してみれば、すぐに理解できると思います。
いくら言葉で問題ないと回答しても、顔の表情が急に強張ってしまったり、回答までに妙な間が空いてしまったりすれば、お客様はおかしいと感じます。明らかに通常ではない態度から、「本心ではないな」と容易に気づくのです。
つまり、本心は表面に表れます。
このようなことは、プライベートでも経験があると思います。友達と話していて、明らかに嘘をついているときは態度でわかります。
急に早口になったり、目を合わせなくなったりと、「態度で嘘をついていることがわかる」という経験があると思います。
本心や内面は、必ず表面に表れるのです。
つまり、自分を良く見せようと体裁の良い回答をしても意味がありません。それどころか、誠実でない態度と受け止められて大きなマイナスになります。
本心を隠そうとしても、間違いなく伝わっていると思ってください。なぜならお客様は、「この営業マンは信頼できる人かどうか」ということを必死で見抜こうとしているからです。つまり、取り繕った嘘は、すぐに見抜かれてしまうのです。
お客様に通用するのは、正直な自分だけであることを理解して、営業活動に取り組んでください。