営業の販売戦略論

営業マンに求めらる「お客様目線」を身につけるための習慣

「営業はお客様の立場になって考えることが大切」という言葉を良く耳にします。お客様の要望をかなえる仕事ですので、相手目線で考えることは営業の基本ということができます。しかし、頭では分かっていても、なかなか徹底することができません。

これには、明確な理由があります。それは、お客様の立場になって考えることを邪魔する要因が、営業活動の中に溢れているからです。

ここでは、営業の基本である「お客様目線」を身につけるための習慣について解説していきます。

顧客目線の妨げになる2つの要素

営業マンは、理屈では分かっていても、つい自分都合で考えてしまう傾向があります。これは、顧客志向を邪魔する要因に影響を受けてしまうからです。この要素には2つあります。

一つは、「会社としてのミッション」です。あなたが勤める会社の都合によって、営業マンの提案活動が制限されることがあります。例えば、次のような内容です。

「会社として複合機の分野に注力していく方針が決まった。従来のコピー機はお客様に提案するのを控えるようにしてください」

このような、会社の都合を営業マンは押し付けられることがあります。これが、お客様の立場になって考えることの妨げとなってしまうのです。

そして、二つ目が「営業としてのミッション」です。営業マンに与えられた予算やノルマが売り手都合の考え方にさせてしまうのです。例えば、次のような内容です。

「今月のノルマを達成するにはあとふたつの契約をとらなけれないけない。何とかしてクロージングしなければ」

このように、営業マンに与えられたミッションによって思考は大きく影響されます。これにより、顧客の立場になって提案することができなくなるのです。

日々の営業活動の中に、「お客様目線」を邪魔する要素が数多く存在していることを認識しなければいけません。

お客様目線を身につける習慣

自分の利益やノルマ達成のために提案活動を行っても、良い結果に繋がることはありません。お客様は、営業マンの都合で商品を売ろうとしていることを簡単に見抜くことができるからです。

例えば、アパレル・ショップです。販売員の都合だけで洋服を勧められた経験はないでしょうか。例えば、次のような対応です。

「昨日、入荷したばかりの新作なんです。数量限定ですので早い者勝ちです。お客様よろしければご試着してみませんか」

このような接客をされれば、誰でもその店から離れたくなります。「この店員は何とかして買わせようとしている」と感じるからです。このように、自分の都合で売り込もうとしても、お客様は容易に感じ取ることができるのです。

それでは、お客様目線を邪魔する要素があるなかで、営業マンはどのようにして提案を進めていけば良いのでしょうか。それは、お客様の立場になって考えているかを定期的にチェックすることです。

例えば、次のようなシーンです。

「これから進めようとしている提案は本当にお客様のためになっているか」

「今作っている資料は顧客から見て分かりやすい内容になっているだろうか」

このように、日々の仕事を進めているなかで、一旦立ち止まって自分自身の考えを確認するようにしてください。これにより、売り手の都合で営業を行っている「間違った自分」に気づくことができます。

この習慣を続けることで、営業マンに必要な「お客様目線」を身につけることができます。

営業という仕事は、お客様の視点に立つことが重要であると頭では分かっていても、なかなか徹底することができません。それを邪魔する要因が仕事の中に溢れているからです。しかし、売り手の都合で提案を続けても、良い成果に繋がることはありません。

営業マンは日々の営業活動の中で、定期的に自分の思考をチェックするようにしてください。これを習慣にすることで、営業マンに求められる「お客様目線」を身につけることができます。