営業の販売戦略論

商談の成約率を高める営業マンの戦略的目標設定のメソッド

多くの営業マンは、お客様との会話の流れに合わせて商談を進めています。相手の要望を聞くことに大半の時間を使ってしまうこともあります。お客様のペースに合わせることも大切ですが、それだけではクロージングはできません。

そのため、営業マンは契約という目標に向かって戦略的に商談を進めていく必要があります。そこで重要なことが、毎回の打ち合わせの目的とゴールを明確にすることです。これにより、商談の成果が高まり、成約に近づけていくことができます。

ここでは、商談の成約率を高めるための戦略的な目標設定の方法について解説していきます。

毎回の目標設定が成約に繋がる

何の目的意識も持たずに、商談に臨んでいる営業マンは多いです。お客様に、「製品を知りたい」と言われれば、説明を終えただけで満足してしまいます。ただ、このような商談を続けていても成約に繋がることはありません。

営業マンは、契約というゴールに向かって提案を進めていかなければいません。お客様の要望を満たすだけでは、クロージングに結びつかないからです。そのため、お客様と打ち合わせを行うたびに、成約に近づけていく必要があります。

そこで、毎回の商談では目的を明確にすることが効果的です。例えば、次のような内容です。

「提案商品を決める参考にするため、本日の商談で予算額を確認する」

「明日の打ち合わせでプロジェクトのキーマンと合わせてもらう交渉を行う」

このように、クロージングに必要となる営業活動を目標として設定するのです。提案状況の進捗によって、その時点で求められる対応を設定してください。この目標を一つ一つクリアしていくことが成約に繋がるのです。

目的意識が商談の成果を高める

私がIT業界で営業をやっていたときの話です。お客様と商談を行うときは必ず目標を設定していました。そして、社内の営業マンと同行するときは、事前に認識を合わせてから訪問をするようにしていました。

これは、それぞれの営業マンが知りたいことを聞いてしまっては、商談にまとまりがなくなるからです。一緒に訪問する営業マンと、「その商談におけるゴール」を共有しておくことで、話に統一感がうまれます。これが信頼に繋がるのです。

さらに、打ち合わせの冒頭で、お客様に目的を説明することもあります。例えば、次のような話し方です。

「本日は社内の検討状況を聞かせてもらい、今後の提案の進め方を相談させていただきたいと思っております」

このように、お客様に話すことができる目標であれば説明してしまうのです。そうすることで、お客様にもゴールに意識を向けてもらうことができます。これにより、その目標が達成されやすくなるのです。

多くの営業マンは、受け身の姿勢で提案活動を進めています。お客様の要望に応える形で見積もりを提示をしたり、製品説明を行ったりします。もちろん、お客様の要望に応えることは重要です。ただ、それだけではクロージングはできません。

営業マンは契約というゴールに向かって、戦略的に商談を進めていく必要があります。営業マンが能動的に成約に近づけていくのです。

そのため、毎回の商談ではゴールを明確にするようにしてください。クロージングに必要となる営業活動を目標として設定するのです。これを一つ一つクリアしていくことが成約に繋がるのです。

毎回の商談で目標を設定することが、成約率を高めるための第一歩であることを理解してください。