「お客様の声」により継続的な売上を実現する法人営業のメソッド
法人営業で安定した数字をあげるには、お客様との継続契約が重要になります。一度きりの契約で終わるのではなく、お客様と継続的に取引を行うのです。そうすることで、営業マンは安定して売上を上げることができます。
さらに、新規のお客様よりも、既存顧客から契約を獲得する方が少ない労力で済みます。なぜなら、過去に取引があるので、既に信頼関係が構築されているからです。
いかに継続的な取引に発展させるかが、法人営業の鍵を握っています。
そして、お客様との継続取引を実現するために有効な手段が「お客様の声」です。お客様の声を活用することで、顧客との信頼関係を強化させるのです。そうすることで、長期的な取引に発展させる土台を作るのです。
ここでは、「お客様の声」を活用してリピート契約を実現する具体的な方法について解説していきます。
お客様の不安を取り除いてあげる
「お客様の声」というと、多くの営業マンは商品を提案するときに使うものという認識でいると思います。実は、商談がクローズした後にも、非常に効果的な活用方法があるのです。それは、購入した製品の導入事例を、そのお客様に伝えるという方法です。
なぜ、既に購入しているのに、導入事例を伝える必要があるのでしょうか。
それは、購入直後のお客様というのは、必ず不安を抱えているからです。どのような商品であっても、お客様は「自分が選んだ商品で間違いではなかったか」という不安を抱えているものです。
そこで、このお客様の不安を営業マンが取り除いてあげるのです。そして、お客様が抱える不安を消してあげるために、「お客様の声」を活用するのです。例えば、次のような説明です。
「御社に購入して頂いたABCシステムですが非常に出荷数が増えているのです」
「以前に加入してもらったABサービスですが、御社と同じ業界の、あの大手企業にも加入を検討して頂いてます」
このように、お客様が購入した商品やサービスの導入事例を伝えてあげるのです。そうすることで、お客様は次のような印象を受けます。
「他の多くのお客様にも受け入れられているのか。それであれば自分の選択も間違いではなかった」
このように、他のお客様の購入実績を伝えてあげることで、「その商品を選んだことは正しかった」ということをお客様に自覚させるのです。これにより、お客様の不安を取り除くことができます。
このようにして、お客様の自尊心を高めてあげることで、さらに信頼関係を強化させるのです。
さらに、営業マンに対する信頼も高めることができます。なぜなら、お客様は「正しい買い物の提案をしてくれた営業マン」に対する感謝の気持ちが生まれるからです。このような取り組みが、継続取引に繋がる信頼関係を構築していくのです。
継続契約の土台作り
私がIT業界で法人営業を行なっていたときの話です。規模の大きな契約を締結いただいたときは、自分の上司やメーカーの担当者などと一緒にお礼のご挨拶に行っていました。そして、他のお客様にも提案を行なっている事例などを伝えていたのです。
このように、われわれ営業マンだけでなく、上司やメーカー担当者からも「お客様の声」を伝えることで、その効果をより高めることができます。
さらに、複数のメンバーでお礼に伺うことで、「その契約に対してどのようなメンバーが関係しているか」を伝えることができます。そうすることで、お客様に「もし製品に何かあっても、この人達に相談すればよい」と感じてもらうのです。
これが、お客様の安心に繋がり、継続契約に必要とされる関係性を強化するのに役立つのです。
このように、法人顧客と継続的に取引を行うには、お客様との信頼関係を強化することを意識しなければいけません。この関係性を構築しないから、「価格が安い」と理由だけで他社に切り替えられてしまうのです。
そして、継続的な取引に発展させるための土台を作るのに有効なのが「お客様の声」です。お客様の声を活用して、購入直後のお客様の不安を取り除いてください。そうすることで、お互いの信頼関係を強化させることができます。
いかに継続的な取引に発展させるための土台を作るかが、法人営業の鍵を握っていることを理解しなければいけません。