法人営業の基礎

法人営業の新規開拓を成功に導く競合他社との差別化の手法

法人営業の新規開拓を成功に導く競合他社との差別化の手法

法人営業で新規のお客様にアプローチするとき、既に別の業者と取引があることは珍しくありません。法人顧客であれば、いずれかの企業と付き合いがあるのは当たり前のことだからです。

しかし、そうだからといって諦めてしまっては、新規開拓などできるはずはありません。別の会社と取引を行なっている状態で、そのお客様を攻略していかなければなりません。

このとき、最も効果的なアプローチが、既存の業者と比較して、その優位性から商談に繋げていく方法です。

ここでは、競合他社との差別化を行ない、法人顧客にアプローチするときの進め方について解説していきます。

 3C分析のフレームワーク
あなたが勤めている企業と他社の比較を行うとき、役に立つフレームワークが3C分析です。3C分析とは、「自社」「顧客」「競合他社」を比較することで、自社が取るべき戦略を考える方法です。それぞれの頭文字をとって、3Cと呼ばれています。

顧客:Customer
自社:Company
競合:Competitor

例えば、私が法人営業を行なってとき、どのようにこの3C分析を使っていたかを説明します。私が勤めていた企業は、いわえる大企業でした。当時は、スマートフォンで使うアプリ開発の商談がとても多かったのです。

ところが、スマートフォンが爆発的に普及したこともあり、アプリ開発を行う会社は数多くありました。それこそ、2~3名の社員で行なっているような小企業は山ほどありました。このような小さな会社の方が、お客様のニーズに柔軟に合わせられるケースが多いのです。

例えば、大企業だと契約書を締結してからでないと、開発作業に着手できません。これは、監査上の観点から、契約がない状態で作業に取り組むことができないからです。

しかし、小企業であれば問題はありません。お互いの合意が取れた時点で、すぐに作業に取りかかるなど、お客様に合わせて柔軟な対応ができます。さらに、数名の会社なので意思決定も早く、人件費も少ないので価格が安いのです。

例えば、価格はできるだけ安く、短納期を望んでいるお客様がいたとします。このとき、3C分析を行うと、下記のように整理することができます。

顧客:短納期で価格は安く
自社:短納期は可能だが、コスト高
他社:短納期は可能で、コスト安

このように3C分析を使うことで、業界の中での位置づけや、強み弱み、顧客のニーズと結びつけるかが分かりやすく整理することができます。

  3C分析で自然と戦略がみえてくる 
あなたが勤めている会社の位置づけ分かったら、自社の強みを効果的にアピールすることが大切です。これと同時に、「自社の弱みには手を出さない」という判断も営業マンには求められます。

例えば、競合他社とコンペになっている提案です。そして、価格では絶対に他社に勝てないことが分かっているとします。このような場合、その提案自体を断ってしまっても問題ありません。単なる時間の浪費にすぎないからです。

受注の見込みのない商談に時間を使うほど、営業で無駄な活動はありません。

しかし、多くの営業マンはこれができません。なぜなら、お客様から頼まれた手前、ほとんどの営業マンが次のように考えているからです。

「せっかくお客様が声をかけてくれたので断れない」

「失注すると分かっていても見積りだけは提出しておこう」

ただ、このような考え方は間違っています。お客様にとってのベストな提案が行えないことを説明して、提案を辞退させてもらえば良いのです。お客様が納得してくれるように、営業マンがしっかりと説明すれば問題ありません。

このように、あなたの会社が苦手な分野で、無駄な時間を使ってはいけません。自社の強みにフォーカスして、弱みには手を出さないようにしてくれください。これが、3C分析を行なうことの目的であり、あなたが取るべき営業戦略なのです。

日々、営業活動を行なっているなかで、あなたは「競合他社」の特徴を理解していますか。あなたの「お客様」が何を望んでいるかを、本当に把握しているでしょうか。そして、「自社」の製品を勉強していますか。

3C分析によって、これらの基本事項をおさえることで、自然とあなたが取るべき戦略は見えてきます。法人営業で成果をあげるための成果を理解するために、3C分析に真剣に取り組んでください。