コミュニケーション学

データを用いた数値化により、提案の説得力を格段に高める方法

プレゼンテーションには説得力が必要です。いくら正しいことを話していても、相手が実感できなければ意味がありません。十分に納得させなければ、お客様の行動に変化を与えることはできないからです。

説得力を高めるためには、話に具体性を持たせることが重要です。そして、あなたの主張の根拠として、データ(数値)を提示することはとても有効です。

ここでは、数値化することでプレゼンの説得力を高める手法について解説します。

数値による導入効果の見える化

私がIT業界で営業をやっていたときに、良く行っていた方法が「データを活用する」ことです。提案するシステム開発などは、どれも高額なサービスばかりです。そのため、十分な導入効果が見込めないとお客様は検討してくれません。

たとえば、「業務システムを導入することで作業時間を短縮できます。現在の残業時間を減らすために導入を検討しませんか」と提案します。このとき、「システム導入による残業時間の削減」というメッセージは非常に明快です。

しかし、「残業時間が減る」という提案の根拠に客観性が乏しく、説得力に欠けます。そのため、システム導入を提案するための、取って付けた理由のように感じ取られることがあります。そこで、業務システムの効果を数値化することで具体性を高めるのです。

たとえば、次のような説明になります。

業務システム導入により貴社の残業時間を毎月45時間減らすことが可能です

さらに、削減できる残業時間の計算根拠を提示します。

たとえば、次のように説明を続けていきます。

他社で導入したところ残業時間を50時間から20時間へ短縮できております。つまり、60%を短縮できたことになります。貴社の残業が合計75時間ですので、60%にあたる45時間を削減できるという計算になります

このように、数字の根拠を明確にすることで、説得力を格段に高めることができます。

具体性のある根拠がお客様を納得させる

また、数字による効果を発展させることで、提案の根拠をより強いものにすることができます。例えば、投資対効果を数値化することです。先ほどのケースであれば、次のような説明になります。

月に45時間ですから年間で540時間の削減です。仮に残業代が1時間あたり1,500円と計算した場合、年間で81万円の削減ができることになります。このシステム導入費が230万ですので3年間で回収できることになります

このように、可能な限りお客様のメリットを数字に置き換えて表現します。数値によるデータをつけることで、客観性という観点から説得力が高まります。さらに、この投資対効果をグラフや図にすることで訴求力の高い提案資料にすることができます。

・コスト削減による投資対効果

 

<営業学>

 

営業マンの主観的な主張だけではなく、客観的な根拠があることで信用度が高まります。そのため、プレゼンテーションを行うときは、根拠に具体性を持たせることが大切です。

商品やサービスのメリットを数値化できるのであれば、必ずお客様に提示するようにしてください。数字というデータは、客観性や具体性という面から説得力が高いからです。

ここで解説した「数字による具体化の手法」を身につけて、誰もが納得する提案を行うようにしてください。