コミュニケーション学

IメッセージとYOUメッセージ:お客様をクロージングに導く話し方

お客様は製品を購入するときに、必ず迷います。どのような商品であっても、後悔したくないためです。

このとき、営業マンはお客様の背中を押してあげる必要があります。

ここで参考になるのが、Iメッセージ(アイメッセージ)とYOUメッセージ(ユーメッセージ)です。

ここでは、IメッセージとYOUメッセージについて話をしていきます。

Iメッセージ、YOUメッセージとは

Iメッセージとは、「私」を主語にして相手の行動を促す話し方です。

相手が行動することで自分がどう感じるのかを伝え、相手の自主性を促します。

たとえば、家庭の中でテレビのボリュームを抑えるように促すときに、Iメッセージを活用すると、次のようなフレーズになります。

テレビの音が少し大きいので、ボリュームを下げてくれると勉強に集中できるので助かるのだが

「ボリュームを下げる」という行動を直接的に促していないため、相手は指示されたという強制感をあまり抱きません。そのため、素直に認めやすくなります。

一方、YOUメッセージとは、「あなた」を主語にする伝え方です。

相手の行動をそのまま表現する方法で、批判や命令するときに無意識に使われています。

たとえば、次のような言い方です。

テレビの音がうるさいのでボリュームをさげてくれ

これは相手の行動を批判しており、「ボリュームをさげてくれ」という命令になっています。そのため、反発がうまれやすいのです。

このように、どちらを主語にして話をするかで、相手が受ける印象が大きく変わります。

会話の主語によって、相手の受け取り方は大きく変わる

Iメッセージで人を動かす

たとえば、部下を褒めたい場合には、Iメッセージはとても有効です。

ただ単に言葉を並べるよりも、自分の感情を伝えることで、相手を肯定できるためです。

たとえば、以下のような言い方です。

顧客別の売り上げ資料を整理してくれて、ありがとう!

数字の推移が分かりやすく、私も非常に助かったよ。

事業部長も理解しやすい資料だと言って喜んでいたよ

このように意識してIメッセージを使うことで、部下の行動を評価していることを伝えるのです。このような言葉を受けた部下は、自己肯定感が強まり仕事へのモチベーションが高まるでしょう。

Iメッセージを効果的に使うことで、上司はメンバーを動かすことができます。

Iメッセージで人を動かせる

Iメッセージでクロージング

また営業活動のクロージングでも有効に活用できます。お客様が製品の購入で迷っているときに、決断を促すのです。

たとえば、次のような内容です。

こちらのダイエット器具でお望みの体型になれれば、紹介した私も嬉しいです
このシステムによって業務が改善されれば、私も提案した甲斐があります

このように、購入することを前提として、Iメッセージで自分の感情を伝えるのです。

そうすると、購入することに対するお客様の自己肯定感が強まり、クロージングに近づくのです。

人は感情で行動します。相手の行動を促すには、感情に訴えかける必要があります。

「IメッセージとYOUメッセージ」を理解して、自分の話し方を工夫してみてください。