コミュニケーション学

営業マンに必要なアイスブレイクの基本を理解する

商談を成功させるためには、お客様に気持ちよく会話をしてもらう必要があります。本心を聞くことができなければ、適確な提案ができないからです。そのためには、余計な緊張を取り除く必要があります。

そこで必要になるのがアイスブレイクです。仕事とは離れた話をすることで、和やかな雰囲気を作ります。そうすることで、お互いの緊張が和らぎます。

しかしアイスブレイクといっても、営業マンとお客様の関係です。営業マンが主体となって、会話を進めていかなければいけません。

そこで、ここでは営業マンに求められるアイスブレイクの基本について話をしていきます。

質問されるストレスをなくすテクニック

基本ルールとして、お客様に気持よく会話をしてもらうことが必要です。雑談であっても、一方的に質問をされるとストレスを感じます。例えば、次のような話し方です。

「◯◯さんはどちらにお住まいなのですか」

「◯◯さんはこちらに勤めて何年になるのですか」

とくに初対面では、お互いの関係性ができていません。そのような状況で一方的に聞かれると、相手は強制的な印象を受けます。そのため、営業マンから先に話すようにします。

例えば、次のように会話を進めます。

「私は住まいが東京都の足立区です。ここからだと、電車で10分ですから非常に近いですが、◯◯さんはどちらにお住まいなのですか」

このように、自分から切り出すことで、お客様は質問をされている感じを受けません。雑談とはいえ、相手はお客様です。少しでも不快な思いをさせてはいけません。気持ちよくお客様に話をしてもらうように、営業マンは気を使う必要があります。

プライベートな雑談でお客様との距離を縮める

雑談でお客様との距離を縮めるために最も効果的なのが、プライベートな話をすることです。しかし、個人的な内容は話すことに抵抗があります。そこで、自分から先に開示することで、相手は話しやすくなります。

例えば、次のような話し方です。

「私は音楽がとても好きで趣味でピアノをやっています。◯◯さんはどんな趣味をお持ちなのですか」

「週末は地元のフットサルチームで練習試合です。◯◯さんは何かスポーツはやられていますか」

とくに会って間もない頃は、個人的なことを話したがりません。そのため、良好な関係を早く築きたい新規開拓では、とても有効なアイスブレイクの手段になります。

また、自分からプライベートな部分を見せることで、相手も話してくれる確率が高まります。これは、「相手が話したので自分も同じように返さなくてはいけない」という心理がうまれるからです。これを心理学で、「返報性の法則」といいます。

さらに、個人的な話を聞くことで、お客様との共通の話題を見つけてやすくなります。相手の趣味や嗜好にあわせて、営業マンが話のネタを準備することができるからです。

営業マンは、「趣味があわないから話すことがない」という考えではいけません。その内容に関するニュースや情報を調べて、会話のネタを用意しておく必要があります。営業マンがアイスブレイクを主体的に進めていくのです。

アイスブレイクは商談の重要な要素のひとつです。商談は営業マンがリードするものであることを理解して、アイスブレイクで何が必要かを考えるようにしてください。