アイスブレイクでは、営業マンが守るべきルールがひとつあります。それは、「仲間はずれ」を作らないことです。複数人のお客様を相手にして商談するとき、参加できない人がいるような雑談は、営業マンは避けなければいけません。
盛り上がっている会話に入ることができないと、「自分は仲間はずれにされている」という感覚を受けます。特にお客様には、このような思いをさせてはいけません。特定の人しか知らない話題は、商談のアイスブレイクには適さないのです。
アイスブレイクでは、全員が参加できるような話題を選ぶべきです。このような細かな気遣いが営業マンには求められます。
ここでは、アイスブレイクで必要になるお客様に対する気配りについて話をしていきます。
雑談は盛り上がれば良いわけではない
私は仲が良かった取引先の営業マンと、週に一度、フットサルをやっていました。そのため、その担当者と仕事の打ち合わせなどで一緒になると、必ずその話になります。
しかし、2人にとっては共通の話題であっても、その場にいる他のメンバーには通じないことがほとんどです。
2人だけが熱くなって盛り上がると、それ以外のメンバーはしらけてしまいます。特にお客様企業の参加者が多い場合には、個別の話題は避けなければいけません。会話に入れないことで、疎外感を抱いてしまうからです。
そのため営業マンは、皆が会話を楽しめるように取り計らう必要があります。話に参加できていない人がいたら声をかけてあげるのです。例えば、次のような話し方です。
「◯◯さんはサッカーは興味ないのですか」
「◯◯さんは何かスポーツをやられているのですか」
このとき、その人が会話に入ってきやすいように、話を振ってあげることが重要です。このように雑談であっても、営業マンはしっかりとお客様に気配りをすることが大切です。
アイスブレイクは全員参加が基本である
しかし、お客様から特定の話題を振ってくることがあります。このときは、どのように対応すればよいのでしょうか。営業マンとしての正しい対応は、「周囲の参加者に共有してから進める」ことです。
先程の例でいえば、次のような話し方になります。
「○○さん、先週末の試合は大いに盛り上がりましたね。あれだけあった得点差をひっくり返したのですから奇跡に近いですよね」
「はい。本当に盛り上がりました。実は私、○○さんのチームに混じって毎週、フットサルをやっているのです。先週の試合が見事な大逆転勝利で、非常に盛り上がりました」
このように、なるべく早い段階で、その場にいる皆が分かるように説明してあげます。そうすることで、全員がその話題を楽しむことができます。メンバー全員が参加できるように、営業マンがリードしなければいけません。
アイスブレイクは、ビジネスにおける重たい空気を和らげることが目的です。特定の人との会話を楽しむものではありません。メンバー全員が参加できることが基本です。
アイスブレイクは商談の重要な要素のひとつです。このことをしっかりと理解して、どんな気配りが必要になるかを、営業マンは考える必要があります。