コミュニケーション学

営業マンのヒヤリングのマナー:お客様にリアクションを返す

ヒヤリングの目的は、お客様のニーズを把握することです。正確に理解することで、的確な製品を提案することができます。

しかし、ヒヤリングといっても、お客様との生きた会話です。営業マンが一方的に質問を並べればいいわけではありません。お互いの意思の疎通があって、はじめて会話が成り立つからです。

そして、成立させるためにはルールがあります。会話のマナーです。ここではヒヤリングにおける会話のマナーについて解説していきます。

会話における聞き手のマナー

上司に、「お客様のニーズを聞いてきなさい」と言われると、とにかく質問ばかりを続ける営業マンがいます。例えば、コピー機の販売員です。

 「現在、複合機は使われておりますか」

 「はい、使っています」

 「スキャナー機能はついていますでしょうか」

 「いえ、ついていません」

 「今の業務にスキャナーは必要ないでしょうか」

 「いや、別に……」

このように、一方的に質問をされると、押し付けられている感じを受けます。これではまるで、街角のインタビューです。相手は、「何かを調査されている」感じを受けて、いい気分ではありません。

これは、質問の答えに対してリアクションを返していないからです。反応がないために、相手が自分の話を受けとめてくれたのかが分かりません。そのため、自分だけが話しているという感覚になります。

会話は、よくキャッチボールに例えられます。上記の例ですと、向こうからボールはどんどん飛んできます。それを受け取り、こちらから投げ返しても、相手がキャッチしてくれない状況です。これでは、会話は成り立ちません。

そこで、質問をして答えてもらったら、それを受け取ったことを知らせる必要があります。
言葉や態度でしっかりとリアクションをします。会話における聞き手側のマナーは、「真剣に聞いています」ということを相手に伝えることです。

リアクションが会話のリズムを作る

ここからは、具体的なリアクションについて説明していきます。まず、「言葉のリアクションで返す」という方法です。相手の返事を受けとめたことを意思表示します。

 「現在、複合機は使われておりますか」

 「はい、使っています」

 「そうですか。スキャナー機能はついていますでしょうか」

 「いえ、ついていません」

 「ついていないのですね。今の業務にスキャナーは必要ないでしょうか」

 「そうですね、あると便利だと思います

このように、相手の返事に対して、その都度言葉を返します。こうすることで、「自分の気持ちが伝わった」ことを相手に感じてもらいます。

さらに、「受けとめたことを態度で示す」という方法も合わせると効果的です。うなずいたり、上体を後ろにのけぞらしたりして、体の動作で相手に伝えます。会話の流れの中で、タイミングよくおこなうことで効果がでます。

言葉以外で意思を伝える「非言語コミュニケーション」という方法があるように、
顔の表情や態度でリアクションを返すことは有効な手段です。

そして、リアクションをしっかりと返すことで、会話にリズムがうまれます。そうすることで、お客様は気持ちよく話をすることができます。

ヒヤリングは会話です。営業マンが、質問をする場ではありません。会話のマナーを守ることが、ヒヤリングの成果につながることを理解してください。