ビジネス理論

組織のリーダーに必要な部下のプロセスマネジメント

組織のリーダーに必要な部下のプロセスマネジメント

営業という仕事は「数字」という目に見える指標があるため、営業成績がそのまま本人の評価につながる傾向があります。ただ、数字という結果だけで評価をすることはできません。

なぜなら、プロセスの中にも評価するべきポイントが存在するからです。そのため、評価をする立場の上司は、結果に至るまでの行動にも目を向ける必要があります。

ここでは、組織リーダーに求められる部下のプロセス管理について解説していきます。

 プロセス管理の重要性
マネージャーは、仕事の成果を見て部下を評価します。これは組織から与えられた管理職としての役割です。ただ、この評価方法には問題点も存在します。それは、業績や数字には表れない、結果に至るまでのプロセスが考慮されていないということです。

例えば、営業マン2名の先月の成績です。表にまとめると、次のようになります。


  達成率 訪問件数

営業マンA

110%

18件

営業マンB

80%

30件

この結果に対して、予算を達成した営業マンAだけを評価するのは好ましくありません。なぜなら、営業マンBの訪問件数はAの倍近くあり、懸命に営業活動に取り組んでいたという事実があるからです。

予算達成に向けて頑張り続けた営業マンBのプロセスは、組織として認めてあげなければいけません。なぜなら、本人が不公平感を抱いたり、モチベーションの低下に繋がったりするからです。

上司が部下を評価するときは、結果だけではなくプロセスにも目を向けなければいけません。そして、それはリーダーの役目です。マネージャーは結果を評価し、リーダーはプロセスに注目するというように役割分担をするのです。

役割を分けることで、各々のミッションに集中できます。そうすることで、部下のフォローをきめ細かく実施することができるようになります。

 プロセスを改善するのがリーダーの役目
リーダーの役割の一つに、部下を成長させることがあります。本人の能力を見極めて、それが発揮できる仕事をリーダーは与えてあげる必要があります。これが、部下の成長につながります。

部下の業績が思わしくなければ、仕事のやり方を訂正させる必要があります。そこで必要になるのが、仕事のプロセスを把握することです。結果だけを見ても、どこに問題があるのか分かりません。

先程の例で説明をします。営業マンBは訪問件数が多いのに、営業マンAよりも成績が悪いです。ただ、達成率と訪問件数の結果だけでは、その原因が見えてきません。

そこで、訪問活動の中身に目を向けます。例えば、両者に訪問活動の内容を詳しく聞いてみると、キーマンに接する回数に違いがあることが判明しました。

先程と同様にまとめると、次のようになります。


  達成率 訪問件数 キーマン接触件数

営業マンA

110%

18件

15件

営業マンB

80%

30件

10件

このように活動の中身に目を向けると、営業マンBのアプローチ方法に問題があることに気づきます。そして、このようにプロセスに把握して、部下の行動を改善してあげるのがリーダーの役目です。

数字という結果だけでは、仕事を評価することはできません。結果に至るまでのプロセスの中にも評価するべきポイントは存在するからです。

そして組織のリーダーは、部下の仕事の進め方に目を向ける必要があります。そこに問題点があれば指摘して、改善してあげなければいけません。これが部下の成長に繋がります。

組織のリーダーは自分の役割を理解して、部下のプロセス管理を徹底するようにしてください。