どのような職種の営業マンであっても、お客様にアポイントを取ることに苦労します。お客様は、「営業マンに会う理由」がなければ会ってくれません。営業マンはしっかりとこれを伝えなくてはいけません。
しかし、アポイントを取るための魅力的な理由があったとしても、お客様に伝えることができなければ意味がありません。例えば、新規開拓のアプローチです。法人企業に電話をかけても、担当者に繋いでもらわなければ話は進みません。
アポイントを取るためには、電話の受付担当者から、商談を進めたい担当者へ繋いでもらうための工夫が必要です。いわゆる、「フロント」を突破しなければいけないのです。
ここでは、アポイント取得の最初の壁である受付をくぐり抜ける秘訣について話をしていきます。
売り込みのにおいを消す
法人企業の電話受付は、営業の電話を簡単には取り次いではくれません。これは、一方的にかけてきたセールスの電話を全て担当者にまわしていたら、その担当者の仕事が進まないからです。そのため、電話受付の担当者は、このような電話を繋がないように指導されているのです。
例えば、私がIT業界で勤めていた企業です。取引先企業のデータベースにない企業からの連絡は、電話を繋がずに全て折り返しにするようにしていました。折り返しであれば、こちらの判断で電話での応対可否を選べるからです。
このように、法人企業では売り込みの電話を歓迎していません。しかし、営業マンはこの受付を突破しなくては営業を進めることはできません。
テレアポのフロント突破において重要なことが、「売り込み」のにおいを消すことです。
つまり、お客様に「売り込み」と思わせなければ良いのです。初めて電話をかけていることが伝わるから、お客様は警戒するのです。例えば、次のような話し方です。
「はじめまして、わたくし鈴木商事の山田ともうします」
「わたくし今回、はじめてお電話をさせて頂いております」
このような話し方をすると、「セールスのために色々なお客様に電話をかけている」という印象を与えてしまいます。つまり、売り込みのイメージが強くなってしまうのです。そのため、お客様はこのフレーズを聞いただけで営業の電話と判断します。
営業マンによっては、「初めて電話していることを正直に伝えなくては」と考える人もいます。
しかし、これでは「売り込みの電話」であることをアピールしているのと同じことなのです。フロントを突破するためには、売り込みのにおいを消すことが大切であることを認識してください。
相手との距離を縮める話し方
それでは、セールスの電話という印象を与えずに、商談を進めたい担当者に繋いでもらうにはどうすれば良いのでしょうか。それは、すでに担当者とも面識があり、取り引きがあるかのような話し方に変えることです。例えば、次のような話し方です。
「いつもお世話になっています。鈴木商事の山田ともうします」
このように冒頭で、「いつも」という言葉を付け加えるだけです。このひと工夫を入れるだけで、「何度も自社に電話をかけている人」という印象を与えることができます。そのため、電話の聞き手は既存の取り引き業者からの電話だと捉えてくれるのです。
多少、馴れなれしい話し方で会話をすることがポイントです。話すときの口調や声のトーンでそれを伝えるのです。そうすることで、「売り込み」のにおいを消し、受付を突破できる可能性が高まります。
営業マンは、「いかにお客様との距離を縮めるか」を真剣に考えなければいけません。ここで解説したフロント突破のテクニックを理解して、日々の営業活動に取り入れるようにしてください。