どのような営業マンでもお客様との商談は緊張します。重要なプレゼンテーションや初めて会うお客様との打ち合わせであれば、うまくいくか不安を感じるものです。
そこで、商談の事前準備として、「イメージトレーニング」はとても効果的です。イメージトレーニングとは、自分が動いているところを頭の中で思い描くことで、本番におけるパフォーマンスを高める練習方法です。
ここでは、お客様との商談を成功させるためのイメージトレーニングの進め方を解説していきます。
良いイメージが商談を成功に導く
イメージトレーニングは、スポーツの世界で広く取り入れられています。多くのプロスポーツの選手が、試合におけるパフォーマンスを高めるために練習メニューに組み込んでいるのです。その効果として、緊張せずに試合に臨むことができたり、集中力を高めたりすることがあげられます。
この練習メソッドを営業活動に取り入れるのです。例えば、お客様と商談を行う前に、次のようなシーンを思い描きます。
「あなたが自信を持ってハキハキと商品説明をしている姿」
「お客様が真剣にあなたのプレゼンテーションを聞いている様子」
このように、商談がうまくいっている状況を頭の中で想像するのです。ポイントは自分が望む最高の結果をイメージすることです。うまく進んでいる様子をシミュレーションしておくことで、本番でもその通りに体が動くようになるからです。
そのため、悪いイメージは完全に頭のなかから消さなけばいけません。理想の結果という願いが叶いやすくなるのと同じように、悪い予感も実現しやすくなるからです。
例えば、「この条件はお客様は納得してくれないだろう」と考えていたとします。このような考えが頭のどこかにあると、体が反応してしまうのです。そのため、商品を提案していて少しでも反応が良くないと、「やっぱり納得してくれないか」というように感じてしまいます。
これが、積極的に商品を勧めることに対してブレーキをかけてしまいます。自分の中にあったネガティブな予感が、悪い結果を導き出してしまうのです。
商談の成果を決める習慣
私がIT業界で営業をしていたときの話です。大きな商談や重要なプレゼンのときは、数日前からこのイメージトレーニングを繰り返していました。私が特に意識していたことは、よりリアルに商談の風景を思い描くことです。
例えば、次のようなシーンです。
「お客様は適度に私と目を合わせながら真剣に話を聞いている。そして、ときどき頷きながら、私の説明がしっかりと伝わっている様子である」
「自分はハキハキと自信を持ってプレゼンを行なっている。ときどき冗談を交えながら、リラックスできる空気の中で余裕を持って商談を進めている」
このように、お客様の表情や態度、商談を行っている部屋の様子、全体の雰囲気などを細かく描写します。現実的であるほど、本番でイメージどおりに再現できるようになります。
このように、イメージトレーニングによって理想の結果を思い描いておくことで、本番でも理想の結果に近づけることができます。事前にシミュレーションしておくことで、本番で体が動きやすくなるからです。
私は、このイメージトレーニングの絶大な効果を実感しています。重要な商談の前などは、移動中の電車のなかで実施したり、お客様と顔をあわせる直前まで行ったりしていました。頭の中で行う事前準備のため、場所にとらわれないことが大きなメリットです。
この練習方法で効果が出せるようになるまでは、少し時間がかかります。ただ、慣れてしまえば、とても効果の高いトレーニング方法になります。
商談の成果を最大限に高めるため、日々の営業活動にイメージトレーニングと取り入れてみてください。