営業の販売戦略論

販売スキルの向上に必要な営業マンのマインドセット

営業スキルを向上させるために、必ず必要となる習慣があります。それは、自分の至らない点を素直に認めるという考え方です。

営業をしていて失敗やミスをしても、自分の非を認めなければ改善点を見つけることができません。そして、その問題点を改めていくことが、営業として成長することに繋がるのです。

そこで、私が勧めるのが、「全ての失敗には自分に責任がある」という思考を身につけることです。

この習慣を身につけることで、「自分の営業に何が足りないのか」に気づくことができます。ここでは、営業のスキルアップに求められる正しい心構えについて解説をしていきます。

自分の非を認めなければ成長できない

売れない営業マンに限って、自分の過ちを認めようとしません。例えば、進めていた商談を失注してしまい、その理由を上司に聞かれたとします。そのとき、次のような説明をします。

「お客様の予算が大幅に縮小されたため契約が流れてしまいました」

「他社が弊社よりも安い価格を提示してきたためコンペに負けてしまいました」

このように、契約できなかった理由を、お客様や事情や製品の責任にするのです。ただ、これでは自分の営業活動を省みることができません。そのため、反省点に気づくことができないのです。

そこで、どんな状況であっても、まずは「自分に原因がある」と捉えるのです。先ほどの例で言えば、次のように考える必要があります。

「なぜ自分は、お客様の予算におさめた提案ができなかったのだろう」

「なぜ価格面で他社よりも有利な条件で提案できなかったのだろうか」

このように、自分の営業活動に必ず問題があることを前提に捉えるのです。そうすることで、自分の至らない点が見えてきます。問題点に気づくことができれば、それを改善するための努力や工夫をすることができます。これが営業マンとしての成長に繋がるのです。

過ちを認めることで前進できる

私がIT業界で営業をやっていたときの話です。ある商談でお客様に見積もりを提示するために、仕入れ先の業者に製品の見積もりを依頼しました。見積もりの提出期限まで時間がなかったため、私は口頭で説明して、急ぎの対応を依頼したのです。

ところが、仕入れ先から送られてきた見積もりは、私が要求した内容と違っていたのです。私はすぐに仕入れ先の担当者に電話をして、間違いを指摘しました。このとき私は、心のなかで次のように考えていたのです。

「なぜ、しっかりと説明したのに分からないのか」

「見積もりの提出期限に間に合わなかったら、一体どうしてくれるのだ」

しかし、その仕入れ先の担当者は、私が説明した通りの内容を提示していることを主張してきたのです。お互いの認識が食い違っていることから、電話で言い合いになってしまったのです。このとき私は、次のように考えたのです。

「ここで言い争いをしていても時間が経過するだけである。提出の期限も迫っているのだから、どうしたら正しい見積もりが出せるかだけを考えることにしよう」

そして私は、「自分の説明が悪かった」というように捉えて、再び依頼の内容を説明しました。これにより、正しい見積もりを手に入れることができ、提出期限にも間に合わせることができたのです。

この経験から私は、「全ての失敗には自分に責任がある」と考えた方が、営業活動をスムーズに進めることができることを学んだのです。

仕事をしていて、ミスをすることは誰にでもあります。このとき、その失敗をどのように捉えるかで、その人が成長できるかが決まります。会社や他人の責任にしてしまっては、「自分の営業に何が足りないのか」に気づくことはできません。

どのような過ちであっても、「自分に責任がある」と捉えるようにしてください。この習慣を身につけることで、成長のスピードを格段に速めることができます。