営業マンは多くの業務をかかえています。お客様への対応だけではなく、営業日報や社内会議などにも時間を使わなければいけません。
そこで重要になるのが、仕事に優先順位つけることです。重要なタスクから始めたり、緊急でないものを後回しにしたりすることで、生産性を高めることができます。ここでは、タスク管理における優先順位の付け方について解説します。
二つの軸を基準にした優先順位の付け方
私が仕事に取りかかるとき、やるべき仕事を整理してから始めるようにしています。具体的には、「ToDoリスト」としてノートに書き出して、タスクを全て洗い出します。全体を把握してから、実際の業務に取りかかるのです。
そこでポイントになるのが、「どの仕事から取りかかれば良いのか」ということです。このとき、優先順位を決める際の基準を作っておくと効率的です。
私がいつも意識しているのが、下記のマトリックス表です。「重要な仕事であるかどうか」「緊急な仕事であるかどうか」という二つの視点をもとに優越を判断します。
重要/緊急提出期限まで間もない見積もり作成などが該当します。他に、お客様のクレーム処理やサービス障害への復旧対応などが当たります。
お客様との信頼関係を維持するために、最も優先して取りかかるべき分野です。どれだけ気がすすまない内容であっても、営業マンは「A」のタスクを最優先する必要があります。
・Bの領域 重要/緊急でない
お客様との信頼関係の構築や上司・同僚との人間関係づくりなどが当てはまります。他には、読書やセミナー参加などの自己啓発、そして健康管理などです。
多くの時間を必要としますが、継続的に売り上げをあげるために必要なタスクです。そのため、「B」にどれだけ取り組むことができかで成績に差がつきます。
・Cの領域 重要でない/緊急
上司からの呼び出しや、同僚からのランチの誘いなどです。そして、アポイントなしの来客や生産性の低い社内会議への参加です。
緊急性が高いため、多くの人はこの「C」の分野に時間を使うことを疑いません。しかし、数字に直結した行為ではないため、営業マンにとっては不要な仕事です。ここを減らす工夫が、成績をあげるためには不可欠になります。
・Dの領域 重要でない/緊急でない
同僚との雑談やタバコ休憩などがこれにあたります。さらに、必要のない残業やアフターファイブの飲み会への参加も該当します。
これは、価値のない社内の付き合いや気分転換に過ぎません。仕事の成果とは全く関係ないため、この「D」の分野にあなたの貴重な時間を使ってはいけません。
何に時間を使うかで営業の成果が決まる
仕事に優先順位をつけておくことで、仕事の生産性を高めることができます。重要な仕事に多くの時間を使い、無駄なタスクを減らすことができるからです。
例えば、上司からの急な依頼です。営業部の予算進捗を把握したいため、資料を作成して欲しいということです。
多くの営業マンは、「上司からの依頼だから」という理由で、その仕事を優先します。しかし、上司を敬うのは当然ですが、仕事の優先度をあげることとは別です。他に重要なタスクがあれば、あなたはその仕事を優先しなければいけません。
その状況をしっかりと上司に伝えて、優先順位に従って行動するべきです。例えば、次のように回答します。
「すいません、今はすぐに対応できる状況ではありません。鈴木商事様の商談で、最終提案の資料を作成しています。明日の15時までに提出しなければなりません。それ以降の対応になりますが、よろしいでしょうか」
他に優先するべきことがあることを知れば、上司も納得します。これによって期限を伸ばしたり、他の営業マンに振ったりすることができます。
優先度を明確にすることで、数字に直結するタスクを優先することができます。無駄な時間を使うことがなくなり、営業活動の効率があがります。優先順位をつけることが、いかに重要であるかを理解してください。