営業の仕事術

営業マンのタスク管理:優先順位をつけて生産性を高める

営業マンは多くの業務をかかえています。お客様への対応だけではなく、営業日報や社内会議などにも時間を使わなければいけません。

そこで重要になるのが、仕事に優先順位つけることです。重要なタスクから始めたり、緊急でないものを後回しにしたりすることで、生産性を高めることができます。ここでは、タスク管理における優先順位の付け方について解説します。

二つの軸を基準にした優先順位の付け方

私が仕事に取りかかるとき、やるべき仕事を整理してから始めるようにしています。具体的には、「ToDoリスト」としてノートに書き出して、タスクを全て洗い出します。全体を把握してから、実際の業務に取りかかるのです。

そこでポイントになるのが、「どの仕事から取りかかれば良いのか」ということです。このとき、優先順位を決める際の基準を作っておくと効率的です。

私がいつも意識しているのが、下記のマトリックス表です。「重要な仕事であるかどうか」「緊急な仕事であるかどうか」という二つの視点をもとに優越を判断します。

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<p>このA~Dの分野のうち、どこに当てはまる仕事であるかを考えます。例えば、お客様から提案資料の作成を依頼されたケースで考えてみます。明後日の午前中に行われる部内会議で検討するために、費用対効果が分かる資料が欲しいという要望です。</p>
<p>この場合、購入の可否を決める会議で使う資料のため、重要なタスクということになります。さらに、会議が明後日のため明日までには提出する必要があります。つまり緊急度が高い仕事になります。</p>
<p>上記のマトリックス表に当てはめると、「A」の領域になります。重要度と緊急性が高いので、プライオリティをあげて対応する必要があります。このようにして、仕事に優先順位をつけていきます。</p>
<p>以下に、4つの分野における主なタスクと、営業マンが取るべき対応について解説します。</p>
<p> <strong>・Aの領域 <span style=重要/緊急
提出期限まで間もない見積もり作成などが該当します。他に、お客様のクレーム処理やサービス障害への復旧対応などが当たります。

お客様との信頼関係を維持するために、最も優先して取りかかるべき分野です。どれだけ気がすすまない内容であっても、営業マンは「A」のタスクを最優先する必要があります。

 ・Bの領域 重要/緊急でない
お客様との信頼関係の構築や上司・同僚との人間関係づくりなどが当てはまります。他には、読書やセミナー参加などの自己啓発、そして健康管理などです。

多くの時間を必要としますが、継続的に売り上げをあげるために必要なタスクです。そのため、「B」にどれだけ取り組むことができかで成績に差がつきます。

 ・Cの領域 重要でない/緊急
上司からの呼び出しや、同僚からのランチの誘いなどです。そして、アポイントなしの来客や生産性の低い社内会議への参加です。

緊急性が高いため、多くの人はこの「C」の分野に時間を使うことを疑いません。しかし、数字に直結した行為ではないため、営業マンにとっては不要な仕事です。ここを減らす工夫が、成績をあげるためには不可欠になります。

 ・Dの領域 重要でない/緊急でない
同僚との雑談やタバコ休憩などがこれにあたります。さらに、必要のない残業やアフターファイブの飲み会への参加も該当します。

これは、価値のない社内の付き合いや気分転換に過ぎません。仕事の成果とは全く関係ないため、この「D」の分野にあなたの貴重な時間を使ってはいけません。

何に時間を使うかで営業の成果が決まる

仕事に優先順位をつけておくことで、仕事の生産性を高めることができます。重要な仕事に多くの時間を使い、無駄なタスクを減らすことができるからです。

例えば、上司からの急な依頼です。営業部の予算進捗を把握したいため、資料を作成して欲しいということです。

多くの営業マンは、「上司からの依頼だから」という理由で、その仕事を優先します。しかし、上司を敬うのは当然ですが、仕事の優先度をあげることとは別です。他に重要なタスクがあれば、あなたはその仕事を優先しなければいけません。

その状況をしっかりと上司に伝えて、優先順位に従って行動するべきです。例えば、次のように回答します。

「すいません、今はすぐに対応できる状況ではありません。鈴木商事様の商談で、最終提案の資料を作成しています。明日の15時までに提出しなければなりません。それ以降の対応になりますが、よろしいでしょうか」

他に優先するべきことがあることを知れば、上司も納得します。これによって期限を伸ばしたり、他の営業マンに振ったりすることができます。

優先度を明確にすることで、数字に直結するタスクを優先することができます。無駄な時間を使うことがなくなり、営業活動の効率があがります。優先順位をつけることが、いかに重要であるかを理解してください。