営業マンがお客様に、電話をかけることは非常に多いです。そして相手が出れない場合には、留守番電話に伝言を残します。このとき、メッセージの残し方を工夫するだけでも、周りの営業マンと差をつけることができます。
ここでは私が実践している、「留守番電話メッセージ」の手法とその考え方を解説します。
常にお客様がどう感じるかを考えるのが営業である
前述の通り、お客様に電話をかけた際、出れない場合は必ず留守番電話にメッセージを残します。例えば、「ご発注いただいた空気清浄器の納期の件でご連絡させて頂きました。お時間のある時に、折り返しご連絡頂けますでしょうか」という内容です。
用件を伝えることで、折り返しの連絡が入る確率は高まります。それは、「自ら返さなくてはいけない」という心理が働くからです。
伝言の内容は、「何の件で電話をしたのか」だけにします。全てを話そうとする人がいますが、これをやってはいけません。なぜなら、一方的なメッセージだからです。つまり、正確に意図を伝えることができません。コミュニケーションは双方向のやりとりができて、初めて成立します。
また留守電に録音することを嫌う営業マンがいますが、これは営業として失格です。着信だけを残した場合、「何の件で電話をしたのか」が伝わりません。するとお客様は、不安になります。営業がお客様に、不安を与えてはいけません。
例えば着信だけを残した場合、「あれっ、鈴木商事の山田さんから着信がある。一体何の件だろう? 依頼していた見積りの件かな。それとも明日の修理工事のことで何かあったのだろうか……」と気をつかわせてしまいます。
どんなに小さくても、不快な思いをさせてはいけません。それが繰り返されることで、「ストレスを感じる営業」という存在が出来上がってしまいます。些細なことでも、お客様の感情をケアしておくことが、営業マンには求められます。
電話が繋がらない場合の手段を作っておく
また、お客様が接客中の時であれば、着信を拒否されることがあります。その場合には留守電に繋がることができず、伝言メッセージを残せません。
このようなケースで私が行っている、ひとつの工夫があります。それは携帯電話にショートメッセージを送ることです。相手が個人用携帯を持っていれば、ショートメールを送ることができます。そこで、「見積り提示の件、また電話します」というように電話の主旨を伝えます。
ただ、何の承諾もなく、いきなり携帯にメールを送るのは失礼です。そこで私は、携帯にメールを送っても問題ないかをお客様ごとに、必ず確認するようにしています。必要なことは、お客様に対する気遣いです。メッセージを残すといった、小さな行為の積み重ねが、良好な関係を作っていくのです。
また伝言を残すことで、接触回数を増やすことができます。伝言を聞いて、そのあと折り返しの電話で会話ができれば、2回のコミュニケーションを行うことになります。単純に接触回数を増やすことで信頼関係を築く「ザイオンス効果」の狙いもあります。
このように、留守番電話を残すときは、工夫次第で有効なコミュニケーションになります。どれだけ頭を使って行動しているかで、営業成績に差がつくのです。