現状整理の基本メソッド「誰に、何を、どのように」を理解する
ビジネスにおける問題解決の第一歩は、現状を整理することです。状況を正確に把握することで、問題の原因がどこに潜んでいるのかを追求することができます。現状を理解することなく、問題の本質を捉えることはできません。
そして、現状を整理するうえで役に立つのが、「誰に、何を、どのように」という3つの観点です。この3つの視点で捉えることで、全体の骨組みが浮かび上がってきます。
ここでは、ビジネスの問題解決における現状把握のメソッドについて解説していきます。
ビジネスの基本骨子
「誰に、何を、どのように」という3つの観点は、現状を整理するための思考法です。どのようなビジネスにも適用できる万能なフレームワークです。具体的には、以下のような観点で整理します。
誰に:ターゲット顧客は誰か
何を:商品は何か、顧客に与える価値は何か
どのように:販売方法、提供方法、商品価値の伝え方
この3点セットを用いることで、スピーディーに現状を整理することができます。例えば、牛丼チェーン店です。ビジネスの現状を整理すると、以下のようになります。
誰に:食事を安く素早く済ませたい人
何を:低価格でも美味しい牛丼
どのように:チェーン展開・コスト削減による低価格化、配給スピードの上昇
このように整理することで、牛丼チェーン店は「美味しい牛丼を早く、安く食べたい人」をターゲットにしていることが分かります。
プレゼンテーションにおける3つの視点
多くの営業マンは、自分の想いや会社の都合で提案を進めています。これは、お客様の悩みや不満を整理できていなことに原因があります。そのため、自己満足による提案を行ってしまいます。
そこで、「誰に、何を、どのように」の3つの視点で考えてみます。このフレームワークを使うことで、商談のポイントを整理することができます。
例えば、コピー機の営業マンです。お客様へプレゼンテーションを行うとき、3つの観点で考えると、次のようになります。
誰に:業務時間の多さに悩む鈴木商事の村川課長
何を:印刷速度が向上した新型コピー機
どのように:「機能改善による製品スペック」と「速度アップによる時間短縮」を訴求
このように整理することで、「お客様が何に困っているか」を改めて認識することができます。これにより、相手の目線に立った、分かりやすいプレゼンを行うことができます。
このように、「誰に、何を、どのように」の3つの視点で現状を整理することで、提案活動の質を高めることができます。
ビジネスにおける問題を解決するには、最初に現状を把握する必要があります。状況を整理しなければ、問題の本質を捉えることはできません。
そして営業マンは、「お客様が何に困っているのか」を正確に把握しなければいけません。現状整理のメソッドである、「誰に、何を、どのように」の3つの観点をマスターするようにしてください。
お客様の現状を正確に把握することで、ようやく相手に響く提案を行えるようになります。