過去(ビフォー)と現在(アフター)の視点による現状分析のメソッド
ビジネスで問題解決を行うとき、最初に問題を明確にすることが大切です。「何となく売り上げが落ちてきている」という程度の認識で、問題を解決することはできません。そこで、問題を特定するためにビジネスの現状を分析する必要があります。
この現状分析をおこなうとき、過去と比較することはとても有効です。現時点の分析だけでは、問題に気づきにくいからです。過去から現在に至るまでの経緯を見ることで、なぜ今の状況になっているのかが見えてきます。
ここでは、過去(ビフォー)と現在(アフター)の視点で現状を分析する方法について解説していきます。
過去と比較することで問題点が明確になる
例えば、製品Aの目標販売台数を120%達成したとします。ただ、この数字だけを見ても、何が良かったのかが分かりません。
そこで、幾つかの項目について、次のように過去の数字と比較してみます。
過去 |
現在 |
|
---|---|---|
目標販売台数 達成率 |
80% |
120% |
訪問件数 |
50件 |
80件 |
販売エリア |
A地区 |
A、B地区 |
この結果から、エリアを拡大して、接客数が増えたことが販売台数増加に繋がったのではないかという気づきを得ることができます。このように、ビフォー・アフターを比較することで、現在の問題を引き起こした原因や経緯が見えやすくなります。
数字に表われない活動にも目を向ける
営業活動の過去と現在を比較するとき、全てを数字で表すことはできません。例えば、以下のような内容です。
・販促で使っている「商品のチラシ」を新しくした
・ネットで広告を流し始めた
このような数字以外のプロセスの変化にも注目する必要があります。そこで、この変化による「問い合わせ件数」の過去と現在を比較すると、次のようになります。
プロセス | 過去 | 現在 |
---|---|---|
チラシの変更 |
120件 |
95件 |
ネット広告の開始 |
240件 |
320件 |
このように数字に表われない定性的なプロセスを比較することで、新たな問題に気づくことができます。過去と比較して良い成果に繋がったことは継続していけばよいのです。結果が悪かったのであれば、改善するための対策を検討します。
このように、過去(ビフォー)と現在(アフター)の視点で比較することは、現状分析においてとても有効です。現時点の成果だけをみても、問題点に気づくことはできません。過去と比較して、そのギャップに目を向けることで、ようやく問題の原因が特定できるようになります。