お客様は、機能や価格だけをみて製品を買うことはありません。その時の感情が大きく影響しています。そのため営業マンは、お客様の心を動かす必要があります。
単に製品のメリットを伝えるよりも、他人の行動を伝える方が、お客様の気持ちを動かすことができるケースがあります。
例えば、どのシャンプーを買うか迷ったときに、すでに何個も売れていて、残り数が少なくなっている製品を選んでしまうことはないでしょうか。これは、他の大勢の人が購入しているので、「自分も買った方が良いのではないか」という心理が働くためです。
このように人間は、他人が正しいと考えていることを参考にして、自分の行動の正しさを判断する傾向があります。これを心理学で、「社会的証明の原理」といいます。
テレビコマーシャルや広告でよく見られる、「売り上げランキング第一位」「累計300万本突破」などの宣伝は、この心理をセールスで利用している典型的な例です。
迷っているお客様の背中を押すひと言
お客様は必ずハンコを押す前に、冷静に自問自答します。「本当にこの製品が、自分は必要なのか」と契約する際に迷いが生じます。高額な商品であれば、簡単に購入を決意できませんのでなおさら躊躇します。そんなときにこの、「社会的証明の原理」を利用します。
例えば、次のようなひと言でお客様の背中を押してあげます。
「いま、ノートパソコンですと、だいたい8割のお客様がこの軽量モデルを購入しております」
このように、他の多くの人が購入しているという事実を伝えます。これによりお客様は、他人も購入しているので「この製品を買う自分は間違っていない」という心理が生まれ、決断がしやすくなります。
このように人間は、自分がとるべき行動に確信を持てないときに、他者の判断を参考にする傾向があります。お客様が迷っているときは、この心理をうまく利用することで、クロージングに近づけることができます。
お客様は自分に近い人の行動を真似る
また人間は、自分と似ている他人の行動に、より影響を受けやすい傾向があります。営業マンは、この性質をうまく利用することで、製品を効果的アピールすることができます。
例えば、「実は、この防犯システムですが、同じ金融業界の富士信託さんも使っています。弊社の導入事例として公式ホームページにも載っていますので、ぜひ参照してください」と案内します。
同じ業界の企業も使っているという事実を伝えることによって、「自分の会社も導入したほうが良さそうだ」という心理が生まれます。このように、「社会的証明の原理」における心理の働きは、自分に似ている他人の行動であるとその影響力が大きくなります。
このように、人間の心理的な傾向を学ぶことで、営業マンはセールスの効果をあげることができます。心理学は、人と接することが基本である営業マンにとって必須科目です。このサイトにある解説でセールスに活かす方法を学び、実践を通して身につけるようにしてください。