お客様のところに訪問したいのに、アポイントを取る理由が見つからないことはないでしょうか。
営業マンであれば、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。
じつは、訪問ネタがないのは、営業マンに原因があるのです。
ここでは、訪問ネタがない理由と対策について解説していきます。
アポの理由は営業マンが作りだすもの
お客様と会わなくては、商談が生まれないことは理解していると思います。それにもかかわらず、多くの時間を社内で過ごしているのです。
それでは、なぜお客様先に足を運ばないのでしょうか。
その理由を聞くと、営業マンから次のような返事が返ってきます。
お客様先に訪問するための理由がないので、アポが取れないのです。
あなたも上司に、このような説明をした経験があるのではないでしょうか。
しかし、訪問するためのネタがないのは、実は営業マンに責任があります。アポイントを取るための理由は、営業マンが頭を使って作り出すものだからです。
訪問することでネタが生まれる
営業マンがお客様に会いにいくのは、営業活動の基本です。営業の中でも最も重要な行動といえるでしょう。
しかし、多くの営業マンが、思うように訪問できずに悩んでいるのです。
その理由はとても単純で、「会う理由」がないからです。
もちろん、お客様も自分の仕事があって忙しいのです。会って欲しいと言われれば、いつでも時間を作ってくれる訳ではありません。
つまり、お客様が納得する「会う理由」を営業マンは与えてあげる必要があるのです。
そして、そのネタを作る一番の方法は、お客様先へ訪問することなのです。
たとえば、お客様先と会話をすることで、そのお客様が何を考えて、どのような情報を求めているのかが見えてきますよね。
この会話のなかから、商談のきっかけや訪問するためのネタが生まれてくるのです。
多くの営業マンは、「何か訪問するためのネタはないだろうか」と自分の頭で考えてしまいます。
しかし、自分一人で考えてみても、答えは見つりません。お客様と会って、会話をすることで初めて見えてくるのです。
訪問のネタは、お客様と会うことで生まれる
訪問ネタを見つける具体的な2つのメソッド
しかし、「最初に訪問するためのネタがない」という単純な疑問が出てきますよね。
そこで、最初の「訪問ネタ」を見つけだすための、2つのメソッドを解説していきます。
この2つのメソッドは、私がIT業界で法人営業を行なっていたときに実践していたノウハウです。
どのような業界の営業マンでも実践できる再現性の高いやり方です。
具体的には以下の2つです。
社内の同僚からヒントを見つける
業界の動向・トレンドからヒントを見つける
それぞれ詳細を解説していきます。
メソッド1 社内の同僚からヒントを見つける
最初に、あなたが勤めている会社の同僚を活用する方法です。同じ営業部のメンバーに、いまどのような商談を進めているのかを聞いてみるのです。
そして、なぜお客様は、その商品やサービスを検討しているのかを確認します。
つまり、あなたが扱っている商品を提案するヒントを聞き出すのです。
たとえば、あなたがコピー機を販売する営業マンだとします。
そして、同じ部署の営業マンが印刷速度の最も速い機種を提案していたとします。このとき、そのお客様のニーズまで確認してください。
なぜ、印刷速度が速い機種を望んでいるのかを聞き出すのです。
たとえば、次のような理由です。
そのため、速度の速い機種に変更することを検討している
このお客様の理由を、自分のアポイント取りに活用するのです。
つまり、同じような悩みを抱えていると思われるお客様へ「コピー機を変更して業務を改善させませんか」というアプローチを行うのです。
このとき、「同じような悩みを抱えている」ことがポイントです。
なぜなら、同じ悩みを持っていれば、同じ解決策が当てはまる可能性が高いからです。つまり、速度の速いコピー機に興味を持つ可能性があるということです。
お客様にとって関心のあるネタであるほど、アポイントは取れやすくなります。
このように、同僚が行なっている商談から、多くのヒントを掴むことができます。
あなたと同じ商品を提案しているのですから、ヒントが見つかるのは当然なのです。
同僚に聞くことを恥ずかしがったり、遠慮したりしてはいけません。自分が営業で結果を出すためにも、同僚を活用するという意識を持ってください。
メソッド2 業界の動向・トレンドからヒントを見つける
もう一つの方法が業界のトレンドから訪問のネタを見つけ出すというやり方です。お客様は自分がいる業界のなかで起きている流行やニュースには強い関心を示すからです。
そのため、同業界のネタでアプローチすると、お客様の反応がとても良いのです。
たとえば、次のよなアプローチです。
あのニュースを受けて、同じ業界の、ある大手企業様が情報管理の強化に取り組み始めています。
その弊社のソリューションをご紹介させていただけませんか
このときのポイントは、同じ業界であることを伝えることです。同じ業界という枠組みにいる企業が検討していることを知らせましょう。
これによって「周囲の企業も行なっているなら弊社も検討しないといけない」という心理が働くからです。
また、同じ業界の導入事例は、とても効果の高い訪問ネタになります。
さきほども説明したとおり、自分と同じ業界の企業が「何をやっているか」には強い関心を持っているからです。
そのため、自分のお客様と同業界のお客様の導入事例や販売実績は、必ず確認するようにしてください。
会う理由は営業マンが作りだす
そして、「お客様の声」や「導入事例」というネタを使ってアプローチするときには、ひとつのコツがあります。
それは、一般公表されていないような情報も、直接会ったときにお話しできることを伝えるのです。
たとえば、「お客様の声」として、ある製品の導入事例があなたの会社のホームページに掲載されていたとします。
そこに書いてある情報を聞かされても、お客様はもちろん面白くはありません。
そこで、一般的には公表されていない裏話のようなネタを用意しておくのです。
たとえば、導入を検討したときに比較した他社製品の情報や、社内で決済を通すときに担当者が苦労した点というような内容です。
もちろん、導入事例となったお客様の機密情報の漏洩にならないようにしてください。お客様に迷惑がかからない範囲で、公表されていない有益な情報を提供するのです。
このように、その営業マンに直接会わないと知ることができないネタを用意することで、お客様の関心を高めるのです。
お客様の関心が高まるほど、アポイントは取れやすくなります。
ここまで、初回のアプローチの際に有効な「訪問ネタ」の具体的な見つけ方を2つ解説してきました。
社内の同僚からヒントを見つける方法も、同業界のトレンドからネタを見つけるやり方も誰もが簡単に実践できるノウハウです。
お客様と会うことが「営業の基本」であることを肝に銘じて、日々の営業活動に取り組むようにしてください。