ここでは、営業マンの数字に差がつく理由について話をします。私はサラリーマンとして15年間以上もの期間にわたり、営業として働いていました。
私は、数多くの営業マンを見ているなかで、ある心理に対してどう対応するかが売り上げの数字に大きく影響することに気がつきました。
それは、「恐怖」です。実は、営業活動中に感じる恐怖とどう付き合うかで、成績が決まっているのです。その理由について、具体例をあげて説明します。
恐怖があなたの注文を遠ざけている
営業は、積極的にお客様にアプローチをして、セールスを行う仕事です。商品を買ってくれるお客様もいれば、断るお客様もいます。当然ですが、営業マンが望むどおりに商談は進みません。
例えば、電話で訪問販売のアポを取る「テレホンアポインター」という業務があります。事前に用意された名簿や企業リストに対して製品の案内を行ない、訪問のアポイントを取得します。
しかし、中には説明も聞かずに、会話を拒否するお客様もいます。むしろ、断るお客様のほうが圧倒的に多いのが実情です。
「こんな忙しいときに電話してくるな」「全く興味がないので、二度とかけてこないでください」といった、クレームに近い言葉をかけてくる人もいます。
このような断り文句を聞いていると、自分自身が否定されているような気分になります。そして、断わられることに対して、「恐怖」を感じるようになります。
拒否されることを恐れて萎縮してしまうと、お客様は話を聞かなくなります。申し訳無さそうに商品を案内されても、お客様が興味を持つことはないからです。つまり、セールス活動では恐怖心を持たないほうがうまく進みます。
しかし、恐怖感を失くすことはできません。実は、トップセールスマンでも、恐怖を感じながら営業活動を行っています。それでもなぜ、良い成績を残すことができるのでしょうか。それは、断られることに慣れているからです。
数多く断られることで、恐怖に慣れることができます。トップセールスマンは、慣れることで、心の負担が軽くなることを理解しています。そのため、「断られること」ではなく、「数をこなすこと」に目を向けています。
つまり、恐怖に慣れることでセールスの質を落とすことなく、成果をあげているのです。
一方で、売れない営業マンは、恐怖から逃げようとします。お客様に断られるのが怖いため、積極的にアプローチをすることができません。これでは、結果を残せるはずがありません。
このように、恐怖とどう向き合うかは、営業マンの数字に大きく影響します。
どんな商品でも提案しない限り契約にはならない
商談の数が多い営業マンは、とにかく提案をおこないます。お客様のニーズにあっているのか、予算に収まっているのかを深く考えません。とにかく、自分が良いと思った製品を、お客様に紹介しているのです。
多くの営業マンは、お客様に断られることを嫌い、ミスを失くすことを考えます。そのため、「この機能はお客様に必要ない」「この価格では予算が取れない」というように、営業マンの視点で考えて提案することをしません。
これは、お客様に断られることを怖がっているためです。しかし、商品を「買う、買わない」を決めるのはお客様です。営業マンである、あなたではありません。もしかしたら、深く考えずに提案した商品はお客様が欲しがっていた製品かも知れないのです。
つまり、あなた自身が商談に発展する機会を無くしているのです。断られることへの恐怖が、案件を潰してしまっています。どんな製品でも提案しない限り、契約に繋がることはありません。
お客様に断られる「恐怖」に対してどう対処するかは、営業活動に大きく影響します。これを理解して対策をおこなえば、セールス活動の質を向上させることができます。