営業として成長が早い人に共通していることが、先輩に質問する回数が多いということです。分からないことがあれば、すぐに話を聞きにいきます。一方で、成長が遅い人はこれができません。
それは、「プライド」が邪魔をしているからです。他人に聞いたら、「そんなことも知らないのか」と思われるかもしれないと考えます。それが嫌で、質問することを避けて、分からないままにしてしまいます。
そのため、新しい知識やノウハウを学ぶ機会が圧倒的に少なくなります。ここに、成長するスピードに差が出る理由があります。
プライドの向き先を変えることから成長が始まる
数名の新入社員が、営業部に配属されます。彼ら彼女らは、先輩に教わりながら売り上げに貢献できる営業パーソンになっていきます。しかし、成長の度合いには必ず差がつきます。
3年後には、顧客のニーズを把握して、的確なアプローチにより信頼を獲得し、数字を作ることができる営業マンがいます。一方で、いつまでも基本動作ができず、顧客からも社内からも、信用されていない営業マンもいます。なぜ同じように上司のもとで教わってきたのに、実力に差がつくのでしょうか。
それは、「本人のプライドの持ち方」に原因があります。
デキる営業マンになるための一番の近道は、優秀な先輩の真似をすることです。もちろん、結果がでているのであれば、同期でも後輩でも構いません。まずは他人の良い部分を積極的に取りいれてみるのです。
打ち合わせの後に、いつも御礼メールを送っていれば、あなたもそれを取り入れてみるのです。移動中でも、常に携帯電話でお客様のメールをチェックしていれば、自分もそのまま真似てみるのです。
ここで、小さなプライドがある人は、素直に他人の真似することができません。「他人の真似をするなんてカッコ悪い。自分は、自分の考えで行動する」という見栄があるからです。
しかし、これはプライドの向き先が間違っています。本来は、「見栄」のためではなく、「仕事」に対してプライドを持つべきです。他人の真似をするのを恥ずかしがるのではなく、仕事で成果をあげることができないことを恥じるべきです。
この仕事に対する、「正しい心構え」を持つことで、一段と早く成長することができます。
私は営業部時代に何人もの新人営業マンを見てきました。その中で、しっかりと仕事を覚え込んでいく人は、例外なく他人によく質問する人です。仕事で成果をあげることを、第一の優先事項として考えているのです。
このように、営業マンとして成長するには正しいプライドの方向性が大切です。下らないプライドよりも、仕事に対する誇りを持つことです。ここで解説した内容を理解して、自分の日々の営業活動を振り返ってみてください。