営業マンのビジネス会話:敬語(尊敬語と謙譲語)を正しく理解する
多くの営業マンは正しい敬語を使えていません。使い方や言い回しが間違っているために、話が伝わりにくくなることがあります。
正しい敬語は、営業マンの会話の基本です。そして、言葉はコミュニケーションにおいて重要な役割を担っています。正しい言葉使いをすることは、お客様との信頼関係を構築するうえでも重要です。
ここでは、営業マンに必要な正しい敬語の使い方について話をしていきます。
敬語の基本を理解する
敬語とは相手を敬う気持ちを表す言葉です。敬語には、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類があります。具体例とともに以下に説明します。
種類 |
使い方 |
例 |
尊敬語 |
お客様や上司を敬って、相手の立場を高める |
電車にお乗りになる |
謙譲語 |
お客様や上司を敬って、自分の立場を低める |
お客様をお送りする |
丁寧語 |
お客様や上司を敬って、丁寧な表現にする |
こちらが見積書です |
特に注意したいのが、「尊敬語」と「謙譲語」の使い分けです。この2つの正しい使い方について説明します。
尊敬語と謙譲語の違いは、「相手を高めるか、自分を低めるか」の違いです。使い分けのコツは、その文章の主語が「相手であるか、自分であるか」を見極めることです。
例えば、「提案書を見る」という文をそれぞれに変換します。
1、主語が「お客様」で相手である場合 → 相手を高める「尊敬語」を使う
「(お客様は)提案書をご覧になる」
2、主語が「私(自分)」である場合 → 自分を低める「謙譲語」を使う
「(私は)提案書を拝見しました」
次に、「行く」という言葉で事例を見てみます。
1、お客様がイベント会場に行く時間を確認したい場合。主語は「お客様」になりますので、相手を高める「尊敬語」を使います。
「イベント会場に何時にいらっしゃいますか?」
2、自分がお客様先へ訪問する日時を伝える場合、主語は「私」になりますので、自分を低める「謙譲語」を使います。
「来週月曜日の15時にお伺いします」
このように、どちらが主語であるかを基準に考えることで、尊敬語と謙譲語のどちらを使うのが正しいのかを判断することができます。
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正しい「尊敬語」と「謙譲語」の使い分け
ここからは、間違いが多い具体的な会話例を挙げて説明していきます。営業マンがよく間違えてしまう「尊敬語」と「謙譲語」のパターンと、正しい使い方を解説します。
1、「謙譲語」のよくある間違え
営業マンの「謙譲語」の間違えで非常に多いのが、相手がお客様なのに謙譲語を使ってしまうケースです。例えば、次のような話し方です。
(誤) 「イベント会場へは筆記用具をご持参ください」
お客様に対しての案内であるため、主語は「相手」です。そのため、謙譲語ではなく尊敬語を使います。正しくは以下のような話し方になります。
(正) 「イベント会場へは筆記用具をお持ちになってください」
2、「尊敬語」のよくある間違え
次に、「尊敬語」の誤った使い方です。それは、自分自身や社内の人間に対して尊敬語を使ってしまうパターンです。特に、お客様から社内の人間あての電話を受けたときに多い間違いです。
(誤) 「鈴木社長は、いらっしゃいません」
自社の人間の行為であるため、主語は「自分」にあると捉えます。そのため、尊敬語ではなく謙譲語を使います。正しくは以下のような話し方になります。
(正) 「鈴木社長は、おりません」
このように間違いが多いパターンを知り、自分の会話を改めることは有効です。「周りが使っているから」という理由ではなく、正しい敬語を学ぶことを心がけてください。
敬語はビジネス会話の基本です。正しい敬語を使うことで、営業マンの信用は高まります。お客様を敬う気持ちが言葉に表れるからです。正しい敬語を理解して、日々の営業活動に取り組んでください。
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