営業の組織行動学

個人と法人顧客の意思決定の違いから営業マンに必要な活動を学ぶ

個人と法人顧客の意思決定の違いから営業マンに必要な活動を学ぶ

法人営業と個人営業の違いは、購入決定のプロセスにあります。個人的な好みや感情で決まる個人営業のお客様に対して、法人は組織として判断することになります。

この違いを理解することで、営業マンが取るべき行動が見えてきます。ここでは、個人と法人のお客様の違いを比較して、営業マンに必要なセールス活動について解説します。

 法人と個人顧客の意思決定の違い
法人と個人営業で最も大きく異なるのは、営業マンが与えることのできる影響範囲です。個人のお客様であれば、独自の判断で購入を決めることができるケースがほとんどです。そのため、営業マンに対する信頼や製品に対する好き嫌いで決まることが多いです。

営業マンの存在が 、セールスの結果に大きく影響します。

一方、法人営業ではその影響度合いは少ないといえます。担当者とどれだけ親密な関係になっていたとしても、契約の決め手になることはありません。法人のお客様は、複数人のキーマンの意思決定によって、会社として購入を判断するからです。

信頼関係や今までの付き合いといった、人間的な繋がりだけでは契約が決まらないのが法人営業です。それどころか、組織としてフラットに判断する必要があるため、個人的な感情で取引先を選定していないかをチェックする企業もあります。

古くから言われている義理人情だけで法人営業することはできません。そのため、営業マンの「キャラクター」を前面にしたスタイルは通用しないのです。法人企業の購買プロセスや予算に合わせて、ロジカルに提案活動を進める必要があります。

 必要な営業アプローチを理解する
個人でも法人営業でも、お客様との信頼関係が重要であることに変わりはありません。しかし、購入を決定するまでのプロセスの違いから、アプローチするときのポイントは大きく異なります。

例えば、個人営業です。お客様との距離を縮めるため、個人的な接点を見つけることは有効です。例えば、共通の趣味であったり、同じ大学の出身であったりという共通点です。これを話題にした雑談をすることで、相手と良好な関係を築くことができます。

人として信頼されることで、お客様が物を買う確率は高まります。営業マンに対する個人的な感情や好みが、購入の決め手となることが多いからです。営業マンの個性を活かしたセールス活動はとても効果があります。

一方、法人営業では担当者の個人的な判断で決まることはありません。前述のとおり、複数人のキーマンによって意思決定がなされます。

そのため、購買プロセスに登場する人物をおさえ、順を追って納得してもらう必要があります。現場の担当者だけではなく、稟議を通すための戦略的なアプローチが求められるのが法人営業です。

このように、個人と法人のお客様では、購入決定のプロセスに大きな違いがあります。そして、これを理解することで営業マンに必要なアプローチが見えてきます。

日々の活動を振り返り、自分の営業アプローチは正しいかを考えてみてください。