学習性無力感:トップ営業マンへ生まれ変わるための環境を理解する
営業のスキルアップに取り組み始めても、すぐに結果が表れることはありません。短期間で営業の実力が向上することはないからです。目に見える成果が現れるまでには、長い期間にわたって努力を続ける必要があります。
そのため、スキルアップを始めた当初は、思うような数字を残せない期間が続きます。このとき、多くの人は「頑張っても無駄なのではないか」という感情に襲われます。これを心理学で、「学習性無力感」といいます。
学習性無力感とは、現状を変えるための意欲がなくなる現象のことをいいます。
例えば、スポーツの練習を続けているのに上達が実感できないと、「頑張っても意味がない」というような無力感を抱きます。これが一定の期間続くことで、この「無力感」を学習してしまいます。そのため、練習という努力を行う気力がなくなってしまうのです。
ここでは、学習性無力感を理解することで、営業のスキルアップに必要な要素について解説していきます。
学習の成果はすぐに現れない
実は私自身も、この「学習性無力感」を経験してきました。それは、IT業界で法人営業をやっていたときの話です。入社した当初、私は全く数字を残すことができませんでした。後輩に営業成績で追い越され、とても悔しい思いをしていました。
そこで、私は本を読んだり、営業セミナーに参加したりして懸命に勉強を続けてきました。そして、真剣にスキルアップに取り組み始めてから、4年目でようやく予算達成することができたのです。
ただ、最初の2年間はとても辛い期間でした。多くの時間と労力を使って勉強をしているのに、一向に成績が上らなかったからです。「頑張っても駄目なのではないか」というように、何度も挫けそうになったことを今でも良く覚えています。
しかし、この学習性無力感から抜け出すことができたのが「環境の変化」です。私はあるきっかけでビジネス・スクールの存在を知りました。3ヶ月で18万円という高額な受講料でしたが、私は意を決して入学することにしたのです。
実績を残した経営者による講義からは、とても多くのことを学ぶことができました。しかし、それよりも大きな存在となったのが、そこで知り合った仲間達です。事業を拡大させるために学びにきた経営者など、とても意識の高い生徒ばかりでした。
この成長意欲の高い友人達と接することで、私のモチベーションは高まりました。非常に良い刺激を受けたのです。それまでの私は、職場の上司や同僚との付き合いが中心でした。しかし、スクールに通い始めてから、クラスメートとの交流が多くなったのです。
この「環境の変化」により、私は学習性無力感から抜け出すことができたのです。
営業のスキルアップに取り組み始めても、すぐに成果が現れることはありません。なぜなら、短期間で数字を残せる真の実力を身につけることはできないからです。そのため、少なくても年単位の努力を続ける必要があります。
そして、長い期間にわたり勉強を続けるときに、注意しなければいけないのが学習性無力感です。「努力をしても無駄なのではないか」という考えを克服しなければいけません。その最も効果的な対策が、環境を変えることです。
モチベーションの維持に必要な環境を整えることが、トップ営業マンへ生まれ変わるための条件であることを理解してください。