カクテルパーティー効果:予算達成に必要な情報を入手するメソッド
人は自分に関連する情報に対して、敏感に反応する傾向があります。これは、自分に必要な音声を選択して聞き取る能力が備わっているためです。これを心理学で、「カクテルパーティー効果」といいます。
例えば、パーティーのように多くの人が集まると、それぞれの会話で会場全体が騒がしくなります。ただ、このような状況であっても、自分の名前を呼ばれると明確に聞き取ることができます。無意識に自分に関連のある情報を聞き取っているのです。
ここでは、このカクテルパーティ効果を理解して、営業活動で有効に活用する方法について考えていきます。
ターゲットを絞るほうが宣伝効果は高まる
このカクテルパーティー効果は、セールスやマーケティングの世界で広く活用されています。例えば、引っ越し業者です。各会社ともに自社のサービスを広告やチラシによって宣伝活動を行っています。例えば、次のような内容です。
「他社よりも高ければご相談ください。必ず安い値段で対応させていただきます」
「大手企業ならではの安心感。全国スピード対応、見積もりは無料です」
しかし、一般の人向けのメッセージのため宣伝力が弱いです。そこで、カクテルパーティー効果を活用することで、集客力を高めることができます。具体的には、ターゲットとするお客様の層を狭くするのです。例えば、次のような宣伝に変えることができます。
「ファミリーで新居に引っ越しを考えているお客様へ」
「埼玉県内で移転をお考えているあなた専門のプラン」
このように、より明確にターゲットを絞るのです。そうすると、カクテルパーティー効果により、対象のお客様は「自分のことだ」と強く反応するのです。これが、マーケティングでこの心理現象が使われている典型的な事例になります。
そして、多くの人はこの活用例を聞くと、「ターゲットの幅を狭めてしまうとお客様が減ってしまうのではないか」と考えます。しかし、実際はそうではありません。その対象となるお客様へメッセージが強く響くため、反応が良くなるのです。
万人受けを狙うよりも専門性を打ち出したほうが、お客様に選ばれることを理解しなければいけません。
自分に必要な情報が集まってくる
私がIT業界で法人営業をやっていたときの話です。入社した当初、私は思うような成績を残せずに苦しんでいました。そして、私は営業の基礎を学ぶために、読書に取り組み始めたのです。
私は書籍から学んだことを、仕事で実践する日々を繰り返していました。ただ、しばらく続けても、営業成績に変化はありませんでした。そのような状況で、私は仕事で使える実践的なスキルを習得できる、ビジネススクールがあることを知ったのです。
当時の私は、ビジネススクールというと、MBA(経営学修士)を取得する場所という認識しかありませんでした。そのため、このようなスクールの存在を知らなかったのです。私はさっそく授業内容などを調べて、入学を決意しました。
これは、私が「営業のスキルアップ」に強い意識があたっていたため、その情報をキャッチすることができたのです。カクテルパーティ効果の「自分に必要な情報を収集する能力」には、このような効果もあることを理解してください。
あなたが予算達成できずに悩んでいるのであれば、予算達成をするために何が必要かを真剣に考えるようにしてください。そうすると、カクテルパーティー効果により、あなたに必要な情報が自然と集まってきます。
成果をおさめている営業マンは、成果をあげることを誰よりも真剣に考えていることを理解しなければいけません。