営業のキャリア志向

営業スキルアップの方法、目標や資格、セミナー活用、おすすめ本

営業に頑張って取り組んでいるのに、思うような成績が残せないときってありますよね。私も法人営業を始めた当初は、思い悩む日々が続きました。

周りで売上をあげている人をみると、自分のスキル不足を嘆きたくなるものです。しかし、嘆いていても何も変わりません。スキルアップするしかないのです。

そこで、ここでは営業のスキルアップの方法や目標の立て方、資格やセミナー活用、おすすめの本を解説していきます。

スキルアップとは?

まず、スキルアップとは何でしょうか。スキルアップ(Skill Up)とは、自分の能力を高めることを指しています。既に持っている能力だけではなく、新たに学んで能力を習得することも含まれます。

通常の企業では、新人研修やOFF-JTによって業務に必要な能力を高めていきます。しかし、営業は、お客様の対応や性格、立場などによって取るべき対応が変わる「不確実性」の高い仕事です。

そのため、定型的な学習法では必要なスキルを伸ばせないのです。

営業がスキルアップするべき能力とは?

それでは、営業マンに必要なスキルとは何でしょうか。売上をあげるために営業がスキルアップするべき能力が、次の3つです。

1、コミュニケーション
2、問題解決スキル
3、自己管理能力

ここからは、それぞれの内容について解説していきます。

1、コミュニケーション能力

まず、何と言っても、コミュニケーションの能力が必要です。営業は、お客様とやり取りすること自体が、仕事のようなものです。

コミュニケーションの質によって、大きく売上が左右されます。

また、営業のコミュニケーションというと、巧みな話術で商品を売り込むシーンを想像する人も多いのではないでしょうか。話すためのスキルが大切のように思えますよね。

しかし、全くの勘違いです。実は、営業にとってのコミュニケーションは、「話す」よりも「聞く」ほうが重要です。

むしろ、一方的に会話を進める営業マンは、お客様に嫌われる傾向が強いのです。

営業の提案は、お客様の「要望」を叶えることが目的です。つまり、お客様の要望を確実に聞き出さなくては、的確な提案ができないのです。

お客様の要望を聞き出すためには、「聞く」コミュニケーションが必要なのです。だからこそ、「話す」よりも「聞く」ほうが大切なのです。

なお、営業のコミュニケーションについては、以下の記事で詳細を解説しています。

営業マンに求められるコミュニケーションとは営業で良い成績をあげている人達には、ある一つの共通点があります。 それは、コミュニケーション能力が非常に優れているという点です。 ...

2、問題解決スキル

お客様が抱えている悩みや課題を解決するのが、営業マンの役目です。お客様の問題を解決するための「提案」であり、その結果が売上という「数字」になるのです。

そのため、問題解決のスキルは、営業職にとって必須となる能力です。

問題解決の基本的な流れは、次の5つのステップから構成され、それぞれの目的に応じた能力が必要となります。

1、お客様の現状を把握する
2、問題を特定する
3、解決策を見つけだす
4、解決策の提案
5、解決策を実行する

例えば、「2、問題を特定する」です。数回のヒヤリングを重ねて、お客様の悩みや不満を見つけ出すフェーズです。

お客様自身が問題を認識していないケースも多いため、営業マンが的確な質問によって、問題を明確にしていく作業が必要になります。

さらに、お客様が、本音で悩みを打ち明けてくれるとは限りません。本音を聞き出すためには、営業マンとして信頼され、関係性を構築する必要があります。

このように、問題解決の5つのステップにおいて、目的に応じた様々な能力が求められるのです。

なお、問題解決で役立つフレームワークや必要となる能力については、以下のカテゴリーで詳細を解説しています。

https://alterna-sales.com/solving/

3、自己管理能力

営業が強化するべき能力の3つ目が、自己管理能力です。自己管理能力とは、自分自身の行動や感情をコントロールすることを指しています。

この能力は、時間管理やプレゼン、交渉、モチベーションなど幅広い分野で必要とされます。

例えば、新規開拓で初めてお会いしたお客様へは「お礼のメール」を送るのが鉄則です。しかし、訪問後にメールを送信するのは、なかなか面倒ですよね。

ここで重要になるのが自己管理です。

お礼メールを送った方が良いと頭では分かっていても、「面倒くさい」という感情が邪魔をします。ここで、自分の行動と感情をコントロールできるかで、営業活動の質が変わってくるのです。

自己管理能力が高い営業マンは、自身の行動を管理できるため、お客様の信頼を得やすい傾向があります。

自己管理能力は精神面による要素が強く、鍛えることが難しいスキルのひとつでもあります。

営業スキルアップ 3つのポイント

それでは、実際にスキルアップに取り組むときは、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。特に意識するべきポイントが、次の3つです。

1、インプットとアウトプット
2、ナレッジの蓄積
3、マインドセットの育成

これら、3つのポイントについて解説していきます。

1、インプットとアウトプット

最も大切なポイントが、インプットとアウトプットの両方を意識することです。どちらかひとつだけでは、能力を高めることは難しいからです。

例えば、読書やセミナーなどで勉強に取り組んでいる人は多いのです。ただ、これはインプットに過ぎません。

どれほど有益な情報をインプットしても、時間が経てば忘れてしまうものです。学んだ内容を忘れてしまっては、もちろん日々の営業で役立てることはできませんよね。

そこで必要になるのが、アウトプットです。具体的には、学んだ内容をノートにまとめたり、誰かに話したりすることです。

また、学んだノウハウを実際の営業で使ってみることも、もちろんアウトプットになります。

このようなアウトプットを行うことで、記憶に残りやすくなります。記憶に残っていることで、初めて営業という実践で学んだ内容を活用できるのです。

そのため、インプットとアウトプットの両方が揃って、初めて学んだことになると覚えておきましょう。

2、ナレッジの蓄積

また、ナレッジを蓄積していく、という考えも重要です。ナレッジというのは、知識や経験を意味します。営業活動を通じて学んだノウハウや役立つ知識などで、「自分なりの営業のコツ」と言ったら分かりやすいでしょう。

営業は、お客様の立場や性格によって対応する内容が変わります。そのため、マニュアルに書かれたような情報を持っていても、成果をあげることは難しいのです。

そこで、自分自身の経験から学んだナレッジが非常に重要になるのです。

先程のインプットとアウトプットを含めて考えた場合、まずインプットしてからアウトプットを行います。アウトプットを通じて学んだ内容がナレッジになるのです。

このナレッジを自分の中に蓄積していくことを意識しましょう。

3、マインドセットの育成

3つ目のポイントが、マインドセットです。マインドセットとは、物事の考え方、心の持ちようという意味です。営業であれば営業に対する考え方で、日々の行動や言動に大きく関わってきます。

このマインドセットを日々の営業を通じて、育成していくことを意識しましょう。

優れたスキルを持っていても、マインドセットが間違っていれば営業として成果をあげることができないからです。

例えば、「何とかメリットを伝えて売り込もう」と考えていたとします。このような間違った考え方(マインドセット)で営業に臨んでも、良い結果に繋がることはありません。

営業が頭のなかで考えていることは、驚くほどお客様に伝わってしまうからです。

お客様の視点に立ち、お客様のために行動する、といった正しいマインドセットを持った営業マンが売上をあげていくのです。

営業の資格、目標、セミナー活用法

営業にはエンジニアや士業のように、スキルを証明する資格がありません。「営業に役立つ資格は」と良く質問されますが、スキルアップに限らず営業に資格は不要です。

スキルアップの目標については、数値化することがポイントです。

例えば、自己管理能力であれば、お客様との約束を守れた「件数」といった数値を目標にすることです。

ただ、プレゼンやコミュニケーション能力など、数字に置き換えることが難しいスキルが多いのが営業の特徴でもあります。

そのため、お客様の反応の良し悪しや、売上に繋がったかというポイントを数値に変えて、目標の対象にしていきましょう

また、スキルアップにおいてセミナーの活用は、非常に効果が高いです。実践的なスキルの習得はもちろん、学習に対するモチベーションが高まるといった効果があるからです。

営業スキルアップ おすすめ本

インプット学習において、私が営業マンに勧めているのが読書です。自分の時間を有効に使え、質の高い知識やノウハウをインプットできるからです。そこで、営業マンにおすすめ書籍を3冊紹介します。

1、「最低でも目標達成」できる営業マンになる法

<営業学>

著者 :水田裕木
出版社:同文館出版

営業コンサルタントである著者が、予算達成にフォーカスを充てて書いた一冊です。

予算達成において求められる考え方や行動、案件管理などの基本を学べます。

さらに、お客様とのコミュニケーションの秘訣や営業で使える心理学の理論なども解説されています。新入社員や営業初心者に、私がおすすめしている良書です。

2、こうなったら最強の営業マンになってやる

<営業学>

著者 :ブライアン・トレーシー
出版社:ダイヤモンド社

アメリカの営業コンサルタントである著書が、自分の営業経験から学んだ知識やノウハウについて書いた一冊です。

ブライアン・トレーシーは私が尊敬するコンサルタント・著書の一人で、多くのベストセラーのビジネス書を出しています。

コミュニケーションや問題解決のスキル、さらにマインドセットについても学べる内容であり、こちらも新入社員や営業初心者に読んで欲しい書籍です。

3、神・時間術 脳のパフォーマンスを最大まで引き出す

<営業学>

著者 :樺沢 紫苑
出版社:大和書房

精神科医である著者が、時間管理について書いたベストセラーです。

脳の働きからみた有効な時間の使い方や、精神的にリフレッシュして時間効率を高める方法などを学ぶことができます。

私自身は、この書籍に大きく影響を受けており、現在のタイムマネジメントはこの書籍によるところが大きいです。

時間管理は、営業活動において重要な鍵を握っています。ぜひ、この本でタイムマネジメントの肝を学んでください。