他人の評価は、仕事のモチベーションに大きな影響を与えます。組織で働くサラリーマンであれば、上司や会社から期待をされると、やる気があがります。モチベーションが高まることで、仕事に前向きに取り組めるようになり、さらに成果がでます。
人間は他人に褒められ、期待をかけられると、その期待どおりの結果を出す傾向があります。これを心理学では、「ピグマリオン効果」といいます。
特に部下を持つ上司は、褒めることが相手にどのような影響を与えるかを理解しておく必要があります。
なぜ人を褒めることがモチベーションの向上につながるのか
新人営業マンの教育担当を任された上司は大変です。部下を育てながらも、与えられた数字を達成しなくてはならないからです。そこで、いかに新人営業マンがやる気を出して、早く成長してもらうかを真剣に考える必要があります。
そして、部下のモチベーションをあげるのに効果的なのが「褒める」ことです。さらに、褒めるという行為は本人の自信にも繋がります。この理由について解説します。
例えば、新人営業マンが先輩と一緒にお客様先を訪問します。商談が終わった後に、上司から次のように声をかけられます。
「今日の製品説明は、丁寧で非常に良かった。分かりやすくて、お客様も納得している様子だ。新しい商談についても、君に全て任せるのでその調子で提案を続けてくれ」
この言葉を受けた新人営業マンは、次のように感じることができます。
「丁寧に説明することを意識していたのが良かった。自分の説明は分かりやすいので、お客様はすぐに理解することができる」
このように他人に褒められることで、本人の「自己イメージ」が拡大します。自分自身の長所やポテンシャルに注目するようになります。これが、「自分はやればできる。もっと頑張ろう」というモチベーションの高揚に繋がります。
このように部下を評価することで、本人のやる気を高めることができます。
評価することで部下に自信が生まれる
さらに、褒められた本人は自己信頼感が高まり、自信が生まれます。先程の例で説明すると、以下のようになります。
「この製品はA社の提案のときにうまくいったので、他のお客様でもプレゼンできる」
このように、少しでも自信が持てる部分ができると、お客様との商談が怖くなくなります。そのため、お客様に積極的にアプローチできるようになります。そして営業マンが持つ自信は、必ずお客様に伝わります。それが信頼関係を構築するのに、大きくプラスに働きます。
このように、部下を褒めることで、自信を持って営業活動に取り組んでもらうことができます。
新入社員の教育担当の重要性について
新入社員が、入社してすぐに活躍することはありません。当たり前ですが、経験も知識もない状態だからです。
企業の人事担当も、1年目から結果を求めてはいません。少しでも早く、一人前に育ってくれることを期待しています。そのため、教育担当を決めて、その上司のもとで経験を積ませます。
しかし、3年後の新入社員の実力には、必ず差が生まれます。そこには、教育担当である上司との関係性が大きく影響しています。そして、成長の度合いが高い社員は、例外なく良好な関係の中で仕事を続けてきた社員達です。
このように、新人教育を担当する上司は、その新入社員にとっても会社にとっても大きな存在です。このことを自覚して、いかに新入社員に育ってもらうかを考える必要があります。