お客様とのアポイントの時間に、やむを得ず遅れてしまう場合があります。例えば、交通機関の事情などにより移動に遅れがでるようなケースです。
営業マンであれば、誰でも経験したことがあるのではないでしょうか。
そして、遅刻してしまうときのお客様への連絡は、営業マンにとってとても大切です。なぜなら、お客様との信頼関係に大きく影響するからです。
そこで、ここでは遅刻したときの、正しいお詫びの伝え方について解説していきます。
遅刻を伝えるときの内容とタイミング
まず遅刻することが分かった時点で、すぐにお客様に連絡をするようにします。もちろん、メールではなく電話で直接伝えるようにしてください。
そして、お詫びとともに、「どのくらい遅れてしまうのか」を正確に伝えます。
例えば、次のような伝え方です。
このとき申し訳ない気持ちから、遅れてしまう時間を短く伝える人がいます。しかし、これは絶対にやってはいけません。
例えば、「5分遅れます」と伝えておいて、「10分」遅れて到着した場合、2度の遅刻をしたことになります。
そのため、確実に到着できる時間をお客様に伝えてください。
このときのコツは、到着する時間に余裕を持たせることです。例えば、10分遅れてしまうのであれば、「15分ほど遅れます」と伝えておくのです。
確実に到着できる時間を連絡して、そこに間に合わせることで誠意が伝わります。
また、電話でお客様に連絡するときは、遅れてしまう理由を詳しく説明する必要はありません。時間がない中で詳しい説明をすると、言い訳がましくなってしまうからです。
「事前の打ち合わせが長引き」や「電車の遅延により」というように簡潔に伝えることを心がけてください。
また、お客様に電話をかけても、本人が出られないケースがあります。社内の会議などに参加しているような場合です。このようなときは、お客様と同じ部署の方に伝言を依頼してください。
つまり、約束の時間に遅れてしまうことを、必ず本人に伝わるようにするのです。
このような状況に備えて、お客様の携帯電話の番号だけではなく、担当部署につながる電話番号や会社の代表番号なども自分の携帯に登録しておきましょう。
このような準備をしておくことが、お客様の信頼につながるのです。
遅れる時間は「確実に」到着できる時間を伝える
到着したときの正しいお詫びの伝え方
それでは、実際に遅れて到着したときに、営業マンは具体的に何をすれば良いのでしょうか。
まず、お客様と顔をあわせたら、その瞬間にお詫びをしてください。
しっかりとお客様と目を合わせて、「遅れて申し訳ございませんでした」とはっきりと聞こえる大きさの声で伝えます。このときは、言葉の語尾まで言いきることを意識してください。
この言葉を言い終えてから、頭を下げます。角度にして45度です。2秒間とめてから、ゆっくりと頭をおこします。
なかには、謝罪なので、「申し訳なさそうな態度をとる必要がある」と考えて声を小さくする人がいます。
しかし、これは大きな勘違いです。お客様に誠意が伝わらないからです。
最後の一文字まで、しっかりと相手の耳に届けることを意識してください。さらに、商談が終わり、お客様との別れ際に、もう一度お詫びをします。
ここでは、「本日は約束の時間に遅れてしまい、大変申し訳ございませんでした」の一言だけで十分です。再度、お詫びをすることで、反省している意思を伝えることができます。
多くの営業マンは、冒頭で謝るだけで終わりにしてしまいます。しかし、それだけでは十分ではありません。遅刻したときは、商談の最初と最後にそれぞれお詫びの意志を伝えるようにしてください。
お詫びの意志を誠意を持って伝える
遅刻で絶対に伝えてはいけないこと
アポイントに遅刻してしまうときに営業マンが絶対に伝えてはいけないことがあります。
それは、時間に遅れてしまったが「自分は悪くない」ことを主張することです。なぜなら、お客様によっては「責任のがれ」と捉える人もいるからです。
例えば、次のような説明です。
つまり、「遅れたのは交通機関が原因で自分は悪くない」と営業マンが主張していると受け止めるのです。たとえ、営業マンがそのつもりが無かったとしても、お客様がそのように捉えてしまうことがあります。
そのため、言い訳をするような表現には、営業マンは十分に注意しなければいけません。
そして、責任逃れをしようとする気持ちは、必ずお客様に伝わります。これは、遅刻したうえに、さらに信用を落とすことになります。
どのような理由があったとしても「自分に責任があった」という姿勢でお客様にお詫びをしてください。そうすることで、お客様に誠意が伝わるのです。
仕事をしていれば、ミスや間違いは誰にでもあります。大切なことは、ミスをしたときにどのような対応をとるかです。その対応によって、お客様の信頼を得ることもあれば、失うこともあるのです。
ここで解説した正しいお詫びの伝え方を身につけて、お客様の信頼を失わないようにしてください。
ミスをしたときの対応で、信頼を得ることもあれば、失うこともある