営業の組織行動学

営業マンが上司に相談するときに守るべきルール

営業マンが上司に相談するときに守るべきルール

営業をしていると、判断に迷うことがあります。自分の経験や知識から明確な答えが見えてこないのです。そこで必要になるのが、他人に相談することです。

つまり、あなたの上司や同僚にアドバイスを求めるのです。他人の意見や考えを聞くことで、あなたが探している答えに出会う確率が格段にあがります。それは、今まで気づけなかったことに気づくことができるからです。

しかし、他人に相談する前に必ずやるべきことがあります。それは、他人の「答え」を求める 前に、自分の「答え」をはっきりさせておくことです。

仕事で重要なことは、自分で考えて行動することです。そのため、自分で検討もせずに、周囲に答えを聞こうとするのは無責任です。考えるという行為を、他人任せにしているからです。

自分の「考え」がはっきりしない状態で、上司に相談してはいけません。「十分に知恵を絞ったが、それでも解決策が見えてこない」という人に相談する権利があるのです。

 自分で考えて行動する人が成長できる
いつまでも成長できない営業マンは、分からないことがあるとすぐに答えを他人に聞こうとします。問題解決に向けて、自分の頭を使おうとしないのです。

他人から教わった仕事の進め方でうまくいっても、そのノウハウはすぐに忘れてしまいます。それは、自分のアイデアで行動していないため、体験のインパクトが弱いからです。

自ら考えて仕事に取り組むことで、多くのことに気づくことができます。それが、独自の知識やノウハウとなって蓄積されていきます。これが成長することの本質です。すぐに他人に答えを求める人が成長できない理由がここにあります。

 他人のアイデアに自分の考えをプラスする
営業マンが上司に相談するときは、前述のとおり自らの答えをあらかじめ明確にしておかなければいけません。そのため、以下のように自問自答を行っておく必要があります。

「自分はこの商談をどのように進めていきたいと思っているのか」

「お客様のクレームに対して自分はどのように対応するべきだと考えているのか」

また、他人に相談してアドバイスをもらったとき、その意味を考えることは大切です。例えば、次のように頭を働かせます。

「なぜ上司はヒヤリング活動に原因があると言うのか」

「なぜマネージャーは新製品への切り替えは勧めないほうが良いと言うのか」

他人の考えやアイデアをそのまま取り入れて成功しても、多くのことは学べません。自分の頭を使って行動に移すことが求められます。先に述べたとおり、自ら考えることで多くのことに気づくことができるからです。

自分で考えるという努力を行わずに、他人に答えを求めるのは都合が良すぎます。考えて行動することが、ビジネスでは最も重要だからです。自分の「答え」がない状態で相手に相談するのは、ビジネスマナーに違反しています。

自分の意見を明確にしてから、上司に相談するという習慣を身につけるようにしてください。