お客様先への訪問件数が多いのに、商談の数が少ない営業マンは多いです。これは、商談の進め方が間違っていることに原因があります。
多くの営業マンは、商品説明を中心に商談を進めているのです。自分が扱っている製品の説明を行なうことが商談だと考えているからです。
しかし、それよりも重要なことは、お客様のニーズを聞き出すことです。いわゆる、ヒヤリングです。お客様の要望を掴んでいないから、何をするべきか分からず、その後のアプローチができなくなるのです。
ここでは、商談に発展させるために必要なヒヤリングの基本項目について解説します。
基本項目によって商品を特定していく
お客様のニーズを掴むというとハードルが高く感じるかも知れません。しかし、実際はそうではありません。ヒヤリングするべき基本項目にそって、お客様の意見を聞き出せば良いだけです。その基本項目が、以下の「4W2H」です。
What | 何が欲しいのか |
---|---|
When | いつ欲しいのか |
Where | どこで使うのか |
Who | 誰が・誰と使うのか |
How Much | 予算はいくらか |
How To | どのように支払うか |
例えば、家電量販店に液晶テレビを買いに来たお客様です。ショップの販売員であれば、次のようにヒヤリングを進めます。
「今回はどのようなテレビをお探しでしょうか」(What)
「いつから新しいテレビを利用したいのか決まっておりますか」(When)
「今回のテレビはどこに置かれる予定ですか」(Where)
「何名ぐらいでご覧になることを想定しておりますか」(Who)
このように、4Wの基本項目を確認していくのです。この最初の4項目を聞き出すことで、店員が提案するべき商品が見えてきます。
例えば、「What」の質問で液晶テレビという回答が返ってきたとします。また、「Who」の確認では、「家族6人が一緒になって見たい」という返事です。
この内容から、「液晶で42から52インチあたりの商品が適切である」というように提案するべき製品が特定されてきます。まず、浮き彫りになった該当の商品を勧めて、その後はお客様の反応を見ながら提案を進めていけば良いのです。
「お金」に関するヒヤリング項目
お客様が望んでいる商品が見つかったとしても、そのまま購入に結びつくとは限りません。それは、支払いの問題が残っているからです。お気に入りの液晶テレビが見つかったとしても、予算が足りなければ話はまとまりません。
そこで、お金に関するヒヤリングもしっかりと実施する必要があります。それが、「How Much」と「How To」との質問です。例えば、次のような聞き方です。
「今回のご予算は幾らぐらいをお考えでしょうか」(How Much)
「お支払方法ですが一括と分割はどちらをご希望でしょうか」(How To)
このように、お客様の予算と支払い方法を確認します。これらの条件にあった商品を提案することで、クロージングに近づけることができるのです。このように、4W2Hの基本項目にあてはめてヒヤリングするだけで、商談に発展させることができます。
商品説明を行なって、満足してしまう営業マンは多いです。しかし、それだけでは商談に発展することはありません。お客様のニーズが把握できず、何を提案したら良いかが分からないからです。
お客様が「何を望んでいるのか」を理解することで、ようやく商談に進めることができるのです。ヒヤリングの重要性を理解して、日々の営業活動で徹底するようにしてください。