新規開拓の攻略

既存顧客の優先順位を見極めて営業予算を達成する方法

営業予算を達成するには、既存顧客からの売り上げが不可欠です。新規開拓のターゲット顧客よりも、商談に発展する可能性も高く数字が見込めるからです。

そのため、既存のお客様には多くの時間と労力を使い、確実に数字を積み上げていかなければなりません。しかし、過去に取り引きのあるお客様であれば、全て注力するべきかといいますと、そうではありません。

既存顧客でもポテンシャルの高いお客様を見極めて、戦略的にアプローチをする必要があります。そこで、ここでは注力するべき既存顧客の見極め方について解説します。

二つの軸で既存顧客を分析する

具体的なターゲット顧客の見極め方を説明します。法人営業であれば、ふたつの軸で評価をします。

一つ目に、「客観的評価」です。そのお客様を取引先として客観的にみた場合に、数字が見込めるかどうかを判断します。具体的には、その会社の事業規模や売上高、業績の状況などから評価をします。

次に、「取り引き実績」です。そのお客様と過去、そして現在の取り引きがどれだけあるのかで評価をします。具体的には受注と売上高、そして利益という数字で評価をします。

この二つの軸でマトリックスを作り、以下のように既存顧客を4つの領域に分けます。

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<p>「A」は、客観的評価も実績も高い既存顧客です。いわゆる、重要顧客です。客観的評価が高く、優良企業であることが多いため、他のライバル会社のアプローチも絶えることがありません。しっかりとアフターフォローをおこない、取り引きが途絶えないように関係を維持する必要があります。</p>
<p>「B」は、客観的評価は高いが、実績が少ないお客様です。例えるなら、今まであまり取り引きのなかった大企業です。<span style=この領域の顧客こそ、営業マンが最も注力をするべきターゲットです。

販売実績が少ないということは、まだ自社の製品が導入される可能性が残っているということです。客観的評価も高く、大きな商談に発展する見込みのある領域です。営業マンはここに多くの時間と労力をかける必要があります。

「C」は、企業としての評価は低いが自社との取り引きが多いお客様です。例えるなら、なじみが深くて、取り引きの長い中小企業などです。良好な関係はできているが、売り上げの数字としては大きな期待ができません。

「D」は客観的評価も実績も低い顧客です。この領域のお客様は、商談に発展しても規模が小さいため、多くの時間をかける必要はありません。

理想の見込み客を明確にしてアプローチする

多くの営業マンは、今までの実績が多い「C」のお客様に注力をします。それは、付き合いが長く、関係もが良好なので足を運びやすいからです。

しかし、これでは売り上げを伸ばすことはできません。今までより取り引きを拡大していくためには、「A」の顧客から継続的に数字をあげながら、「B」のお客様に注力していく必要があります。

そして、数字が見込めない「C」「D」のお客様に対しては、時間をかけてはいけません。特に対応が難しいのが取り引きの長い「C」の顧客です。付き合いが長いため、人としての「情」が入り労力をかけてしまいがちだからです。

しかし、与えられた予算を達成することが営業マンの目標です。お客様と良好な関係を築けているだけでは不十分です。営業予算を達成することを最優先して、合理的な判断をすることが営業マンには求められます。

既存顧客を整理することで、数字をあげるためにどこに注力すれば良いかがみえてきます。足を運びやすいお客様のところばかり訪問してはいけません。数字が見込める顧客にターゲットを絞り、戦略的にアプローチする必要があります。