営業活動では全てが予定通りに進むことはありません。それは、お客様の反応を完全に予測することはできないからです。
分かりやすい説明をしたつもりでも、理解してくれないことがあります。満足のいく条件を提示したつもりでも、納得してくれないこともあります。全てが営業マンの思惑どおりに進まないのです。
もちろん、プレゼンテーションも例外ではありません。商品やサービスの説明の途中で質問を受けて、話が長引くことがあります。そのため、予定通りに進めることができないことは多いです。そこで必要になるのがスケジューリングです。
スケジューリングとは、プレゼンテーションの全体の時間配分を決めることです。事前に時間の配分を決めておくことで、スムーズに進行することができます。ここでは、具体的な例をあげてポイントを解説していきます。
予定どおりに進まないことを前提に準備する
他人のプレゼンを見ていると、多くの人が事前に時間配分を行っていないことに気づきます。そのため、最後のスライドまで説明できなかったり、質疑応答の時間が足りなくなったりします。
話の中身や資料作成などの準備はできているのに、肝心な全体の設計ができていないのです。しっかりと時間配分をしておくことで、段取りよく進めることができます。さらに、大勢の人前でも、落ち着いて臨むことができるようになります。
例)一時間のプレゼンのスケジューリング
時間 | 所要 | 内容 |
---|---|---|
10:00 |
5分 |
・挨拶、自己紹介、全体の進め方の説明 |
10:05 - 10:20 |
15分 |
・サービスの詳細説明 |
10:20 - 10:25 |
5分 |
・導入事例の紹介 |
10:25 - 10:35 |
10分 |
・見積りの提示、説明 |
10:35 - 10:50 |
15分 |
・質疑応答 |
10:50 - 11:00 |
10分 |
・今後の進め方、終了の挨拶 |
また、話の重要度を決めておくことは、とても有効です。「必ず伝えたい箇所」「必要に応じて話す部分」などを決めておくのです。そうすることで、時間が足りなくなったとしても、「どの部分を切り捨てればよいか」の判断がつきやすいからです。
このように、事前にスケジューリングをしておくことで、本番で慌てることなく対処することができます。プレゼンテーションでは、自分の予定どおりに進まないことを前提にして準備しておくことが大切です。
スケジュールを伝えることで聞き手を惹きつける
そして、プレゼンテーションでは、「スケジューリング」の説明を行うようにします。事前に自分が計画した時間配分を冒頭で伝えるのです。「どんな話があるのか」「どのくらいの時間を予定しているのか」を簡潔に説明します。
例えば、次のように話します。
「今日はABCシステムのご提案です。まず前半の15分で、システムの詳細説明と他社の導入事例を紹介させていただきます。次に質疑応答を10分予定しています。最後に、今後の進め方について話をさせていただきたいと思います。全部で30分を予定しております」
このようにスケジュールを伝えることで、聞き手は全体の見通しをつけることができます。全体像が分かることで、集中力を持続することができます。人はいつ終わるか分からない話は長く感じ、退屈してしまうからです。
プレゼンテーションでは、事前に時間配分を決めておくことが大切です。そうすることで全体の構成が明確になり、自分自身が慌てることなく本番に臨むことができます。
さらに、時間が足りなくなり、「重要な部分を伝えることができなかった」というような最悪のケースを防ぐことができます。
そこでプレゼンテーションの本番では、予定している進め方を必ず説明するようにします。時間配分を伝えることで、聴き手の集中力を高めることができます。真剣に聴いてもらうことで、プレゼンの成果は大きく高まります。
スケジューリングの重要性を理解して、万全の準備でプレゼンテーションに臨むようにしてください。