見積もりや提案書のデータをメールに添付して、お客様に送ることはよくあります。このときに私が実行している、ある一つの習慣があります。それは、メール送信ボタンを押す前に、必ず添付ファイルを開いて中身を確認することです。
この習慣によって、誤って別のファイルを送ることを未然に防ぐことができます。例えば、間違って別のお客様の機密情報が含まれたデータを送ってしまったら、情報漏洩に繋がります。
このような事故が発生した場合には、営業担当であるあなただけでなく、会社全体の信用を失うことになります。そこで、私が実践している対策と、その考え方を説明していきます。
ミスすることを前提に仕事を進める
パソコンを使って仕事をしていると、様々なファイルを扱います。そして、中身が分かるように「名前」を付けます。このとき、ほとんどの人が独自のルールを作っています。
例えば、見積もりであれば、先頭に「」(カギ括弧)を入れて「御見積」といれたり、日付を末尾に6桁で付けたりする、などの約束事です。このように統一しておくことで、パソコン上で整理がつけやすいのです。さらに、過去のファイルを検索しやすい、というメリットもあります。
しかし、一定の規則で名前をつけていると、見間違える可能性が高くなります。デスクトップ上では、データ名は省略されるため、見た目にほとんど差がなくなるからです。
最も大切な「お客様の信用」を失わないために
もし、あなたのもとに、全く関わりのない企業宛の見積り書が送られてきたら、どう思いますか? そのメールを送ってきた相手を、信用できますか? 他の顧客情報を送ってしまうということは、「あなたの会社情報を第三者に漏らしてしまう可能性もある」ということです。
現実に、このようなミスは頻繁に発生しています。それが明るみに出ないだけで、多くの企業でセキュリティ事故がおきています。新聞やニュースで耳にする事件は、大企業や有名企業だから報道されるだけです。
お客様から信用を得るのは難しいですが、失うのは簡単です。たった一つのメールで、全てが崩れ去ります。私は、このことを本当の意味で理解しているので、ミスを防ぐ作業を習慣化しているのです。
メール送信前に、添付ファイルの中身を確認する作業は、時間にしてわずか数秒です。たったこれだけの小さな作業で、大きな財産を守ることができるのです。
営業は、「お客様の大切な情報」を扱う仕事です。機密情報をあなたに預けているのです。このことを理解して、必要な対策を立てたうえで、営業活動に取り組んでください。