営業の販売戦略論

マーケットの切り替えに必要な営業マンの効果的な学習メソッド

多くの営業マンは、マーケットを切り替えることに抵抗があります。それは、新しい市場で成果をあげる自信が持てないからです。今までとは違う、自分の知らないマーケットのため数字をあげることができるかが不安になるのです。

多くの場合、この原因は「勉強不足」です。新しいマーケットについて中身が見えないから不安になるのです。そして、ターゲットとする顧客層の基礎知識を頭に入れることで、大きく改善することができます。

ここでは、新たなマーケットの顧客を知るための具体的な勉強方法について解説します。

お客様の基本情報を学ぶ

どんな業界の営業マンでも、初めて会う前にお客様のことを調べるものです。例えば、法人営業であれば、企業のホームページで事業内容や従業員数などの基本情報は確認します。

ただ、ターゲットの顧客層を切り替えるときは、これだけでは足りません。新たなマーケットの流行や特徴などを頭に入れておく必要があります。「この業界の常識も知らないのか」とお客様に思われては、営業マンとして信頼されるはずはありません。

そのため、お客様の業界の基本を学んでおく必要があります。そこで、効果的な勉強方法が専門雑誌や書籍を読んで基礎知識を身につけるやり方です。私がお薦めするのが、「◯◯入門」「△△業界の基本」というような入門書です。

基礎を理解することで、新しいマーケットの全体像が見えてきます。そうすることで、営業活動に対する不安を和らげることができます。そして、業界の基本を学ぶことの効果はこれだけではありません。

それは、今まで気づけなかったことに気づける能力が身につくという効果です。これは、業界の基礎を頭に入れてたことで、その情報に意識が向くようになるからです。これを心理学で、「カラーバス効果」といいます。

例えば、「赤色」に注目するとします。街中で赤い色の物を探してみると、驚くほど多くのものが目に飛び込んできます。これは、赤色に注目したことで、普段は気にしていないものに対しても意識が向くようになるからです。

日常生活からお客様のマーケットを学ぶ

私がIT業界で営業をやっていたときの話です。入社して最初に担当したのが、金融業界のお客様でした。ただ、当時の私はまったく金融の知識がなかったのです。そのため、お客様の話についていくことができませんでした。

そこで私は、金融の勉強をすることにしたのです。書籍や専門雑誌を読むことで、基礎的な知識から学び始めました。これにより、私は「金融業界」というキーワードに意識があたったのです。

そうすると、今まで気にしていなかったことに意識が向くようになったのです。例えば、コンビニなどに設置されているATMの手数料です。私は数万円を下ろして、使い切るとまた引き出すということを繰り返していました。手数料は気にしていなかったのです。

ただ、書籍で「手数料は銀行の主な収入源」ということを学んでから、急に高く感じるようになったのです。銀行がどのようにして収益をあげているのかを、改めて考えさせられたのです。

このように、日常における体験から、お客様の業界をリアルに知ることができます。お客様のマーケットを学習したことで、多くのことに気づけるようになったのです。このように、基礎知識を頭に入れておくことで、日常生活の中からマーケットを学ぶことができます。

業界の基礎を学ぶことの効果を理解して、新たなマーケットへアプローチするようにしてください。