「営業は経験が大切」ということを良く耳にします。現場という実践の場で経験することが大きな学びになることは間違いではありません。しかし、単に経験を積めば良いというわけではありません。
自分の活動を振り返り、至らない点は改善をしていく必要があります。悪かった部分は素直に認めて反省し、それを教訓として今後の営業活動に活かしていくのです。これを積み重ねることで、商談スキルは向上します。
例えば、商品説明が上手な人は、「経験が豊富だから」という理由だけで上達した訳ではありません。何度も改善を重ねてきた結果として、そのスキルが上達したのです。ただ単に経験を積んでいくだけでは、営業として成長することはできません。
そこで、必要になるのが「振り返り」です。自分が行った商品説明やプレゼンテーションを思い返して、そこから学んでいく必要があります。
ここでは、日々の営業活動を振り返るときの具体的なメソッドについて解説していきます。
思い込みが反省の邪魔をする
自分の行動を顧みるときに大切なことは、客観的になることです。自分の思い込みで判断すると、欠点を洗い出すことができないからです。これは、人は自分の行動を過大評価する傾向があるからです。
例えば、次のように自分の都合のいいように受け止めてしまいます。
「プレゼンの最中で何度も目があったので、お客様は集中して聴いている様子だった。思ったよりスムーズに話すことができたので、お客様も満足しているに違いない」
しかし、これは営業マン自身の主観的な思いに過ぎません。自分に都合よく物事を捉えてしまうと、反省することができなくなります。そのため、自分の行動を振り返るときは、客観的にみる必要があります。
そこで、私がお勧めするのが、音声や動画に残しておくことです。例えば、プレゼンの練習をするときにスマートフォンなどで音声を録音しておくのです。自分が話しているのを後から音声で確認することで、客観的に聞くことができます。
客観的に自分を見つめる
私はコンサルタントとして、セミナーを開催することがあります。そのときは必ず動画に残すようにしています。これは、自分のセミナーを振り返ることが目的です。
収録したデータをパソコンで編集し、自宅のテレビで観ることにしています。そうすることで、他人のセミナーDVDを観ているように、客観的に捉えることができるからです。
例えば、次のように主観にとらわれずに多くのことに気づくことができます。
「自分ではハキハキと明るい雰囲気で話しているつもりだったが思ったより表情が暗い」
「手元のパソコンを見る回数が多いので、お客様から見たら下を向いている時間が長い」
このように、動画により客観的に自分を見つめることができます。そのため、自分の思い込みにとらわれず、色々な気づきを得ることができるのです。
自分の行動を振り返るときは、客観的にチェックしなければいけません。主観的な想いで判断すると、自分の都合のいいように捉えてしまうからです。そのため、反省することができず改善につながりません。
営業の現場からは、とても多くのことを学ぶことができます。経験を積むことが、成長するために必要であることは間違いではありません。しかし、単に経験を積めば良いというわけではないのです。
自分の活動を振り返り、マイナス要素を改善していく必要があります。そして、そのときに大切なことが客観的に判断することです。悪かった部分に気づくことから改善は始まります。商談スキルを向上させるため、日々の営業活動を客観的に振り返る方法を身につけるようにしてください。