営業の心理学

ミラーリング効果:お客様との距離を縮めて信頼関係を築くコツ

人間は好意を持った人の動作や仕草を真似する傾向があります。これは、相手と同じでありたいという想いから、無意識に同じ行動をとってしまうからです。これを心理学で「ミラーリング効果」と言います。

他人の行動を鏡(ミラー)に写るように真似ることから、ミラーリングと呼ばれます。このミラーリング効果を利用すれば、お客様との信頼関係を構築する際に役立てることができます。

人は自分と似た相手に好意を抱く

人間は自分と似ている人を好みます。自分と同じであることに親近感をおぼえるのです。

そこで、ミラーリングによってお客様に好意を持ってもらいます。商談ではお客様の動作や仕草に注目して、うまく真似をするのです。例えば、手の位置、姿勢、お茶を飲むタイミングなどです。

こうすることでお客様は好意を感じて、営業マンとの距離がかなり縮まります。しかし、あからさまに真似をして気づかれると怪しまれることがあります。さり気なく真似をすることが必要です。

私は初対面のお客様と話すときは、必ず相手の話し方の特徴を真似するようにしています。話し方の特徴とは、会話のスピードや声の大きさ、話す雰囲気などです。

例えば、テンポよく話す人とは、自分もテンポよく話を進めていきます。落ち着いてゆっくりと会話をする人であれば、自分もそのスピードに合わせします。つまり、お客様の話し方の特徴をミラーリングするのです。

お客様は、「自分と似ている話し方」をする営業マンに親近感を覚えます。こうすることで、お客様の緊張を和らげてあげるのです。ミラーリング効果を意図的に使うことで、お客様との距離を縮めましょう。

感情を共有することで親密な関係がうまれる

お客様との信頼関係を構築するにあたり、このミラーリングの最も有効な使い方があります。それが、快適感情をミラーリングすることです。快適感情とは、「楽しい」「面白い」といった快楽の感情です。

私が強く意識しているのが、笑うタイミングです。「笑う」という行為は、日常で最も多い快楽の感情といえます。相手が笑えば、必ず自分も笑うようにしています。

お客様と一緒に笑うことで、「楽しい感情」を共有することができます。この共有している感覚が、お客様のイメージに大きく影響します。人間は会話の中身よりも、楽しいと感じたときの雰囲気が強く印象に残るからです。

例えば、一度しか会ったことがない人に対して、あなたも次のように感じたことがあるはずです。

「○○商事の村上様から連絡がきている。一度しか会ったことはないが、確かニコニコしていて感じの良い営業マンだった。気さくに話ができる人だったので、覚えているな」

このように、その人のイメージが強く相手の記憶に残ります。そこで、お客様と一緒に笑うことで、あなたの印象を「楽しい時間を共有した人」に作り上げるのです。そうすることで、お客様に好印象を与え、親密な関係を構築することができます。

一緒に笑うという動作は、腕を組むなどの感情の変化が伴わない動作をミラーリングするよりも、はるかに効果があります。

人間が好意を抱く心理的な仕組みを理解することで、早期に良好な関係を築くことができます。自分の営業活動に置き換えて、実践に取り入れるようにしてください。