プレゼンテーションの目的は、聞き手に行動させることです。営業マンであれば、商品を理解してもらい契約に結びつけるのがゴールになります。
そのためには、営業マンのプレゼンにより「商品を使ったときの自分の姿」をお客様にイメージしてもらう必要があります。理想の姿がイメージできることで、お客様は商品の購入を決断できるからです。
つまり、お客様がリアルに想像できるようなプレゼンを行えばよいのです。
このように言うと、難しいように感じると思います。ただ、言葉の使い方に少し工夫を入れるだけで、これを実践することができるのです。
ここでは、お客様の心により響かせるためのプレゼンのテクニックについて解説していきます。
言葉の主体は誰に向いているか
お客様に「商品を使ったときの自分」をイメージしてもらうには、お客様が受け入れやすい言葉を使うことです。具体的には、行動の「主語」をお客様に変えることです。例えば、次のような話し方をよくすると思います。
「来週の金曜日までには納品させていただきます」
「今ご契約いただければ月末には出荷できます」
「ご注文いただくと30%値引きをさせていただきます」
多くの営業マンが、このような表現を何気なく使っていると思います。ただ、ここで考えてみてください。これらの話の主語になっているのは、営業マンとお客様のどちらでしょうか。
これらは、全て営業マンが主体となっているのです。
例えば、納品という動作について考えてみます。商品を納めるという動作は、営業側の行動です。つまり、話の主語が営業マンになっているのです。これと同様に、「出荷する」「値引きする」も営業マンが主体となった言葉です。
営業マンが主体となった表現では、お客様はスムーズに話の内容をイメージできません。その都度、自分がどうなるかを想像しなければいけないからです。
そこで、行動の「主語」をお客様に変えてあげるのです。そうすると、次のような表現に変わります。
「来週の金曜日までにはお手元に届きます」
「今ご契約いただければ月末からご利用することができます」
「ご注文いただくと30%お安くお買い求めいただけます」
このように、お客様主体の動作表現に変えてあげることで、お客様はスムーズに話の内容を理解することができます。つまり、自分の未来をイメージしやすくなるのです。
このように、言葉の使い方に少し工夫をするだけで、お客様が受け取る印象を大きく変えることができます。これにより、プレゼンの成果を格段に高めることができるのです。
言葉使いも「お客様の目線」
お客様の反応が大きく変わるこのテクニックは、プレゼン以外にも使うことができます。例えば、提案書に記載する表現や見積りの備考欄に書く言葉に対しても効果があります。
お客様に何かを伝えるときには、あらゆるケースで有効なテクニックなのです。
そして、このノウハウの効果を考えると、お客様の立場になって考えることが、いかに大切を理解することができます。お客様の目線に立って行動することが大切と良くいいますが、これはプレゼンテーションにおいても当てはまるのです。
言葉の使い方や表現ひとつで、お客様の受け取り方は大きく変わります。
そのため、流暢に話すための練習や資料作成に時間を使うよりも、まずは言葉の使い方に目を向けてください。そうすることで、あなたのプレゼンテーションは大きく改善されます。
営業マンは、「どのように伝えればお客様がイメージしやすいか」を常に考えなければいけません。ここで解説したノウハウは、とても簡単で、今すぐ実践できるテクニックです。あなたもすぐに実践に取り入れて、プレゼンテーションの成果を高めてください。