「人と会話をするときは相手の目を見て話すこと」とよく言われます。これは、話し手の熱意が伝わることで、より説得力がつくからです。
プレゼンテーションにも同じことがいえます。聞き手が1人でも10人でも、目を見て訴えかけることが重要です。アイコンタクトの効果的な使い方を学ぶことで、プレゼンの成果を高めることができます。
そこで、ここではプレゼンテーションにおけるアイコンタクトの重要性について解説します。
聞き手の全体に目を通すことを意識する
プレゼンテーションでは聞き手が複数です。そのため、どこに目をあわせるかが大切です。そこで、一人ひとりにしっかりと目をあわせていくことが重要です。
時間にして最低3秒です。1、2秒だと短く、目があったという実感が湧きません。そのため、「自分は無視された」と聞き手が感じてしまいます。
一人ずつアイコンタクトをしていくことで、聞き手の意識が大きく変わります。例えば、次のような印象を受けます。
「いつもは全員に話しかけている形式で、自分は大勢の中の一人。しかし、このプレゼンターは自分に話しかけてくれているように感じる」
このように、アイコンタクトには相手の心に直接訴えかけることができます。そうすることで、あなたのプレゼンの説得力が高まるのです。
またアイコンタクトで大切なことが、目を動かすタイミングです。ポイントは、「一文に対して、一人にアイコンタクトをおこなう」ことです。
一塊の文を発言している最中に目を動かすと落ち着きが感じられません。そのため、聞き手には、「目が泳いでいて頼りない姿」に映ります。話し手が信用できなければ、そのプレゼンテーションが成功することはありません。
そこで、一人に対して一文を言い終えてから移動させます。例えば、次のようなタイミングです。
「今までの複合機よりも3つの点が大幅に改善されました」(次に移動)
「まず印刷速度、次に解像度の向上。最後に省エネ設計です」(次に移動)
「一番目の印刷速度ですが……」
さらに、自分から聞き手に目を合わせることで、「自分は見られている」という意識がなくなり、緊張することがなくなるという効果もあります。
自分の味方を見つけてモチベーションを高める
またプレゼンテーションで自分のモチベーションを維持する方法があります。それは、話を懸命に聞いてくれている人を見つけて、アイコンタクトの回数を増やすことです。その人に向かってプレゼンテーションを進める意識を持ち、自分のやる気を持続させるのです。
具体的には、こちらの目を見て真剣に話を聞いている人や、話のタイミングごとに頷いているお客様です。聞き手がメモを取っている姿などを見ると、「自分の話は役にたっている」という実感が湧きます。
プレゼンテーションでは、お客様が最後まで集中して聞いてくれることはありません。明らかに別の作業をしたり、隣の人と会話をしたりしている姿が目に入ります。そのため、このような状態でもモチベーションを下げない工夫が必要になるのです。
アイコンタクトを効果的に使うことで、聞き手への訴求力を高めることができます。さらに、自分のモチベーションを継続させるのにも役に立ちます。
プレゼンテーションにおけるアイコンタクトの重要性を理解して、しっかりと身につけるようにしてください。