お客様に商品を薦める立場の営業マンにとって、正しい敬語を使いこなすことは大切です。どれほど優れた製品でも言葉使いが間違っていれば、お客様の信頼を得ることはできません。
そして、間違えた敬語で会話を続けられると、お客様は不快感を抱きます。特に年輩の方は、若者の言葉使いが非常に気になる傾向があります。正しい敬語を使うことは、営業マンにとって必須となるビジネスマナーです。
そして、普段から正しい敬語を使うことを心がけてください。なぜなら、言葉というのは習慣だからです。お客様と会話をするときだけ意識しても、正しい敬語を使いこなすことはできないのです。
そこで、ここでは営業マンが使う敬語で特に間違いの多くいNGワードを3つ挙げて解説していきます。
間違えやすい敬語1、 「~のほう」
私が多くの営業マンを見てきて、最も多い敬語の間違いが「~のほう」という言葉です。例えば、次のような話し方です。
「お見積書のほうがコチラになります」
「納品日が決まりましたらお電話のほうをさせて頂きます」
本人にしてみれば、物事を丁寧に伝えようとしているのですが、言葉使いとしては正しくありません。営業マンによっては、クセになっていて多用している人も多いです。正しくは以下のようになります。
「お見積書がコチラです」
「納品日が決まりましたらお電話させて頂きます」
丁寧に伝えようと考え過ぎると、かえって相手を不快にさせてしまいます。あなたも普段の会話で使っていないか振り返ってみてください。
間違えやすい敬語2、 「~でよろしかったでしょうか」
相手に物事の内容を確認するときの会話です。これも非常に多くの営業マンが使っているNGワードです。例えば、次のような使い方です。
「鈴木様もご参加されるということでよろしかったでしょうか」
「お見積書の提示は金曜日まででよろしかったでしょうか」
丁寧な言葉使いにしようとして、なぜか過去形になっています。現時点での内容を確認するときに過去形にする必要はありません。当然、敬語としても間違えています。正しい使い方は以下の通りです。
「鈴木様もご参加されるということでよろしいでしょうか」
「お見積書の提示は金曜日までよろしいでしょうか」
お客様との会話で、このような表現を使っていませんでしょうか。日々の営業活動を振り返ってみてください。
間違えやすい敬語3、 「~になります」
特定の名詞を指すときに使われるNGワードです。これも多くの人が無意識に使っていますが、正しい表現ではありません。例えば、次のような話し方です。
「こちらが検収書になります」
「この商品の契約書がコチラになります」
本来、「~になる」という言葉は、別の状態に変化するときに使われます。例えば、「マネージャーから部長になります」という使い方です。上記の例の場合、とくに変化が伴うわけではなく、言葉使いとしては間違いです。正しくは次の通りです。
「こちらが検収書です」
「この商品の契約書がコチラです」
多くの人は、「~です」は言葉として短いので失礼ではないかと考えます。そのため、丁寧な言葉にしようと「~になります」という表現を使っているのです。しかし、言葉使いとして間違っているので気をつけてください。
ここで挙げたNGワードは、営業マンの間違えでとくに多い言葉使いです。おそらく、あなたも普段のお客様との会話で使っているのではないでしょうか。お客様の信頼を損ねないためにも、普段の敬語を見直すようにしてください。