多くの営業マンが、人前でうまく話せないと悩んでいます。これは、「デキる営業マン=話がうまい人」という考えを持っているからです。
しかし、実際はそうではありません。
口下手な営業マンでも、成果をあげることができるのです。
これについて動画で解説しましたので、ご確認ください。
口下手な営業マンでもお客様に好かれる理由
営業として経験が浅いころ、私はコミュニケーションに自信がありませんでした。
そこで、いわゆる「営業マニュアル本」を読みあさりました。話のコツを勉強すれば、お客様ともうまく会話ができるだろうと考えたのです。
しかし、実際は逆でした。
多くの書籍に共通して書かれていたことは、「営業マンは喋らずに、お客様の話を聞く」という教訓だったのです。
そこから私は、相手に会話をしてもらうことに力をいれるようにしたのです。
お客様の現状やニーズを聞き出す質問を数多く準備しておきました。そして、商談でひとつひとつ確認していったのです。
商談に対する考え方を、「お客様と話をする場」から、「お客様の話を聞く場」に変えたのです。
そうすると、コミュニケーションに対する苦手意識が徐々になくなっていきました。「自分はうまく話す必要はない」という考えが気持ちを楽にしてくれたからです。
さらに、商談の捉え方を変えることで、提案活動がうまく進むようになりました。
これは、「自分の考えを親身になって聞いてくれる営業マン」として、お客様の信頼を得ることができたからです。
私は、「優秀な営業マンは、話がうまい」という間違ったイメージを持っていたのです。
それを改めることで商談が発展するようになり、成績もあがっていったのです。営業マンに「うまく話す能力」は必要なかったのです。
デキル営業マンは話がうまい、というのは間違ったイメージ
口下手でも、相手の気持ちを理解できる営業マン
お客様は、一方的に製品の説明をする営業マンを嫌います。それは、自分の都合しか考えていないことが伝わるからです。
たとえば、私がIT業界で働いていたときの話です。
「セキュリティ機器の新製品を紹介したい」ということでメーカーの営業マンが尋ねてきました。すると彼らは、挨拶と名刺交換を終えると、製品資料をひろげて説明を始めました。
非常に感じのよい話し方で、説明もスムーズです。その営業マンは年輩の方でしたので、何度も提案をしていて非常に慣れている感じを受けました。
しかし、20分ほど説明を続けたのですが、まったく内容が印象に残らなかったのです。
これは、「相手がどう感じているか」を気にせずに、淡々と自分のペースで話をしていたからです。
相手の気持ちを知ることがコミュニケーションの本質
人は、自分の得意分野があると「相手に教えたい」という願望を持ちます。そのため、一方的に話を続けてしまうことがよくあります。
自分が言いたいことだけを話すのは、コミュニケーションではありません。
相手が聞きたいことを感じ取り、話を進めていくことが必要です。そうすることで、お客様の心に届く製品説明ができるようになります。
そして、お客様の気持ちを知ろうという考えは、必ず伝わります。その姿勢がお客様との信頼関係を構築していくのです。
営業マンに、流暢なセールストークは必要ありません。お客様は上手な話を聞きたいわけではないのです。
「お客様が望んでいること」を知ることが、営業マンの仕事であることを理解してください。
お客様は上手な話を聞きたいわけではなく、悩みを解決してもらいたい