営業マンに求められる「要素分解」による原因追求のメソッド
営業マンはお客様の悩みや不満を解決しなければいけません。顧客が抱えている問題を解決するのが、営業の仕事ということができます。
ただ、多くの営業マンはお客様の問題を正確に捉えることができていません。これは、問題の表面的な部分にしか目を向けていないことに原因があります。そのため、問題の本質を掴むことができないのです。
そして、問題の本質を理解するときに役立つのが、「要素分解」の考え方です。要素分解とは、物事を細かく分解し、中身を詳しく見ていくことで原因を突き止めていくという進め方です。物事の細部に目を向けることで、思い込みや表面的な部分に左右されることがなくなります。
ここでは、要素分解による原因追求のテクニックについて話をしていきます。
分解することで原因が見えてくる
ビジネスで発生する問題は、幾つかの要因が重なりあっていることが多いです。そのため、問題の中身を一つ一つ見ていかないと、最適な対策を練ることはできません。
例えば、主力製品である製品Aの売り上げが、前年同期と比較して20%減少しているとします。ただ、この事実だけを見ても、問題の原因を把握することはできません。そこで、物事を分解し、一つ一つの事象に目を向けていきます。
売上の数字は、「単価」と「数量」の2つの要因によって決まります。そのため、この2つの観点で売上の数字を分解していきます。例えば、以下のようになります。
売上 |
単価 |
数量 |
|
---|---|---|---|
前期 |
100万 |
20,000円 |
50個 |
今期 |
80万 |
20,000円 |
40個 |
この数値から、販売数量が大きく落ちていることが分かります。つまり営業マンは、数量を伸ばすための対策を考えればよいのです。
このように、物事を分解し、中身を詳しく見ていくことで原因を突き止めることができます。
問題の抵抗感をなくす
問題の中身がはっきりしないと、取り組むのを躊躇してしまうことがあります。抽象的で何から取り組んだらよいのか分からないため、億劫になるからです。そのため、多くの営業マンが、対策を取らないままにしてしまいます。これが、状況を悪化させ、問題を大きくしてしまうことがあります。
このような現象に対しても、「要素分解」の分析手法は効果があります。問題を小さく分けることで、行動に対する抵抗感が少なくなるからです。
また、先入観や固定観念で物事を決めつけてしまう人は多いです。特にベテラン営業マンは、自分の経験に基づいて判断する傾向が強いです。そのため、問題を正確に捉えることができないケースが良くあります。
しかし、要素分解により細部に目を向けることで、思い込みや先入観に邪魔されるのを防ぐことができます。
お客様の問題を正しく把握することが、問題解決の第一歩であることを理解しなければいけません。