プレゼンテーションで重要なことは、相手の行動を促すことです。そのために、戦略的にストーリーを組みたたて話を進めていく必要があります。
そこで補助的な役割を担うのが資料です。プレゼンテーションでの訴求力を高めるために、視覚的な効果を利用することができます。
しかし、プレゼンテーションにおける資料の位置づけを理解していない営業マンがあまりにも多いです。プレゼンといえば、「パワーポイントで資料を作ること」と勘違いしている人がほとんどです。
そこで、ここではプレゼンテーションの資料作りにおける基本事項について話をしていきます。
プレゼン資料には全てを書こうとしない
プレゼン資料の作成で最も気をつけなくてはいけないことが「書きすぎない」ということです。多くの人は、プレゼンテーションで伝えたい内容を、事細かに資料へ書き込みます。しかし、プレゼン資料というのは視覚的な補助ツールであって、読み物ではありません。
話し手が説明するのであれば、その内容は資料に記載する必要はありません。重要なメッセージやキーワードのみを表記するようにします。そうすることで、訴求力を高めることができるのです。
また、資料に書き込み過ぎると、お客様はそれを読み込んでしまいます。自分が話をする前に、その内容を読み進めてしまうのです。そうなると発表者に意識が向かなくなり、プレゼンテーションの効果が弱まってしまいます。
さらに、書き込む量が多いと、話す量が増える傾向にあります。資料に記載しているために、説明しないわけにはいかないという心情になるからです。そのため、時間がなくなり最後まで説明しきれずに終わってしまうという最悪のケースになることが多いです。
プレゼンテーションは「話し手が主役である」ことをしっかりと認識したうえで資料を作成する必要があります。
聞き手を惹きつけるためにメリハリをつける
プレゼンテーションの資料では、メリハリをつけることが大切です。一枚あたりの資料に対して、3分間程度の時間をかけるといわれることがあります。しかし、全てのスライドに対して時間をかける必要はありません。
プレゼンテーションで重要なことは、相手の興味を引きつけることです。そのため、全体の核となるスライドでは、時間をかけてじっくりと説明することが有効です。それ以外の重要ではないパートでは、サラッと説明するなどの時間配分が必要です。
全体にメリハリをつけることで、聞き手を飽きさせないプレゼンを行うことができるのです。
プレゼンテーションは相手の行動を促すことが目的です。情報提供の場ではありません。聞き手の心を動かすために、プレゼンの進め方を真剣に考える必要があります。
そして、話し手の訴求力を高める手助けとなるのがプレゼン資料です。視覚的な表現を交えることで、より強くメッセージを伝えることができます。ここで解説した資料作りの基本をしっかりとおさえ、成果をあげるプレゼンテーションを行ってください。