仕事で安定した成果を上げるには、メンタルも重要です。いくらスキルがあっても、精神的に弱ければ結果を残すことはできません。
お客様と対面で接することが多い営業マンにとって、メンタルは成果を左右する大きな要因です。上司に怒られて気落ちしたまま商談に臨んでも、良い提案を行うことはできません。
そこで、営業マンに必要な考え方が「ポジティブ思考」です。
ポジティブ思考とは、物事の良い側面に注目をして、その結果を前向きに捉える考え方です。
そこで、なぜ営業マンにポジティブ思考が必要かについて、以下の動画で解説しましたので今すぐご確認ください。
物事のどこに視点をあてるべきか
営業は断られる仕事です。新製品の紹介でアポイントを取ろうとしても、断られることがあります。長期間にわたって進めていた商談でも、契約を見送られることがあります。お客様に断られることは、営業にとって珍しいことではありません。
しかし、相手に断られると、誰でもショックを受けます。どんなベテラン営業マンでも気落ちします。そのため、「いかに早く立ち直るか」が営業マンには求められます。
そこで、「物事のどこに視点をあてるか」を意識します。
たとえば、競合他社がいるなかで、オフィス用複合機を提案していました。しかし、価格が原因でコンペに負けてしまいます。お客様から、次のような返事をいただいたのです。
「申し訳ありませんが、今回は他社の製品を購入することに致しました。御社の複合機のスキャナー機能は非常に気に入っていたのですが、価格が高かったです」
このとき、結果のどこに視点をあてるべきかを考えます。多くの営業マンは、「他社と比べると価格が高い」というマイナス面に意識がいきます。
そうすると、セールス活動が消極的になってしまうのです。たとえば、他の商談においても、「価格は高いのですが……」というネガティブ・トークが自然と出てきてしまいます。
つまり、悪い面に注目することで、積極的に提案することにためらいを感じてしまうのです。これでは、商談が良い方向に発展するはずがありません。
そこで、視点を明るい箇所に向けます。たとえば、今回のケースでは、「スキャナー機能」です。
今後の商談では、「うちの複合機は、スキャナー機能が他社を圧倒している」というポイントを積極的にアピールします。前向きな姿勢で提案する営業マンの「熱」は、お客様に必ず伝わります。これが良い結果に繋がるのです。
このように、物事のどこに視点を当てるかは、営業活動に大きな影響を与えます。
営業予算を達成できなかったときの思考法
私は15年以上にわたって、営業マンをやっていました。もちろん、営業予算を達成できなかったこともあります。そのとき、私がどう考えていたかを教えます。
それは、「数字に届かなくても全く気にしなかった」ことです。
なぜなら、数字をクリアできなかったという「過去」の事実を、いくら悔しがっても何も変わらないからです。落ち込んでいるのは、時間の無駄遣いにすぎません。
そのため、私は淡々と営業活動を続けていました。この様子は、同僚からは不思議に映っていたようです。それができたのは、意図的に良い方向で受け止めることを習慣にしていたからです。
「今期は、鈴木商事様の大型案件をクロージングできなかったのが大きかった。規模の大きい商談に頼ってしまうと、数字の組み立てができない。今後は、商談数を増やして、数字を積み上げていくことを意識しよう」というように、前向きになれる箇所を見つける考え方をしていました。
これは、長い営業経験のなかで私が身につけた思考法です。
ネガティブな思考よりも、ポジティブに考える方が良いことは、頭では分かります。しかし、自身の経験を通して何度も行わないと、ポジティブ思考は身につきません。思考のクセは、簡単に変えることはできないからです。
ここで解説した「ポジティブ思考」を、あなたの営業活動に落とし込んでください。そして、実践を通して身に付けるようにしてください。