新規開拓の攻略

仮説をたてて商談に臨むことが新規顧客開拓を成功に導く

新規のお客様へのアプローチで難しいことは、話のネタがすぐに尽きてしまうことです。自分が扱っている製品を一通り紹介すると、他に話をすることがなくなってしまうのです。せっかく打ち合わせの時間をいただいても、会話が盛り上がらずに終わってしまいます。

これは、新規顧客へのアプローチで、初期段階によくみられる傾向です。お互いにまだ打ち解けていないため、お客様もオープンに話をしてくれません。営業マンが準備してきたネタでしか話が進まないのです。

そのため、紹介したい製品や伝えたい情報があるほど有利です。さらに、次回のアポイントを取ることにも苦労しません。継続的に訪問することが可能になります。いかに商談のネタを集めるかは、新規開拓の成果を大きく左右します。

戦略的に商談ネタを準備する

新規開拓を成功させるコツは、仮説をたてて訪問に臨むことが大切です。今はほとんどの企業がホームページを持っていますので、事業内容や従業員数など基本的な情報を集めることができます。

お客様の情報を集めて、「そこから何を望んでいるのか」「何に困っているのか」などの予想をたてておきます。そして、それに応じた資料や情報を準備しておくのです。

例えば、法人営業で製造業のお客様へアプローチをします。そこで、次のような仮説をたてます。

「従業員が多いので勤怠管理システムがあったら便利だろう」
「工場で利用できる節電システムはニーズがあるはずだ」

このとき、必ずしも自社で扱う製品である必要はありません。お客様にとって関心のある話であれば問題ありません。アプローチの初期段階では、とにかく会話が続くことを優先します。そして、仮説をもとに商談を進めます。

例えば、次のようになります。

「いまはタイムカードもICカードになって電子化されているのですね。御社の各工場でも導入されているのでしょうか」

「自動で空調温度などを調整する節電システムが流行しているようですね。同じ製造業で導入したお客様がいるのですが、年間で30万円も電気代を削減できるみたいです」

お客様に関連する話題であれば、会話も弾みます。事前に仮説をたててネタを準備しておくことで、商談の場で話題に困ることがなくなります。

商談に繋がるまでの道筋を準備しておく

しかし、お客様の関心ある話題で会話が続くだけでは意味がありません。自分の売り上げに繋がらなければ、営業マンの成果になりません。そこで、事前に仮説をたてる段階で、商談に繋がる筋道をたてておきます。

例えば、次のようにイメージします。

「この会社は外回りの営業マンが多いので、外出先でメールが見れると便利だろう。もしパソコンで見ているようであれば、タブレット端末を紹介しよう。すでに使っていれば、セキュリティを強化するサービスの話をしてみよう」

このように、提案に繋がる会話の流れを事前に準備しておきます。こうすることで、商談に繋がる糸口を見つけることができます。数多くの仮説をたてて、それぞれの道筋を準備しておくことで商談に進む確率があがります。

新規開拓では、お客様と信頼関係を築くことが第一優先です。そのため、訪問回数を重ねる必要があります。そのため、訪問するためのネタが豊富であるほど有利です。

営業マンは仮説をたてることで、お客様との話題を用意することが可能です。さらに、そこから商談に発展させることができます。新規開拓では、いかに商談のネタを準備するかが鍵を握ることを理解してください。