ビジネス理論

営業マネジメントに必要な部下とのコミュニケーションを理解する

営業マネジメントに必要な部下とのコミュニケーションを理解する

上司が部下の意見を聞きたいときは、1対1で話をしなければいけません。多くの営業マネージャーは、社内会議など複数人の場で意見を求めようとします。ただ、会議という場では部下の本音を聞き出すことはできません。

部下とコミュニケーションができなければ、仕事で成果をあげることはできません。営業部門の予算達成が目標であるマネージャーにとって、これは特に重要な要素です。部下一人ひとりの予算達成が、営業部門の目標達成に繋がるからです。

ここでは、営業マネジメントに必要なコミュニケーションについて話をしていきます。

 部下は会議では発言しない
営業戦略や商談の進め方など、会議で活発に議論することを望んでいる管理職は多いです。しかし、それが実現している企業はありません。「誰も積極的に意見を言ってくれない」というように、多くの営業マネージャーが嘆いているのが現実です。

これには、理由があります。参加人数が集まれば集まるほど、発言の回数は減る傾向にあるからです。これを心理学で、「社会的手抜き」といいます。

社会的手抜きとは、集団で作業を行うとき、一人で行うときよりも努力をしなくなる傾向のことをいいます。これは、「自分が発言しなくても他の誰かが意見を出してくれるだろう」という心理がうまれるためです。

ただ、複数人が集まる場でも頻繁に発言する人がたまにいます。しかし、決まっていつも同じ人です。つまり、メンバー全員で話し合っているわけではありません。特定の人が発言するだけでは、会議で複数のメンバーが集まる意味はありません。

このように、部下は会議で積極的に自分の意見を言うことはありません。メンバー全員が積極的に話し合うという会議の理想を、営業マネージャーは捨てなければいけません。

 1対1のコミュニケーションを心がける
それでは、部下の意見を聞きたいとき、営業マネージャーはどうしたらよいのでしょうか。それは、1対1のコミュニケーションを心がけることです。

自分の席に呼んで、もしくは上司が自ら部下の席まで行って話をするのです。社内に打ち合わせ用のスペースがあれば、そこで会話をしてもいいでしょう。とにかく、部下と二人きりの環境でコミュニケーションをするのです。

面と向かって上司から話しかけられれば、部下は自分の意見を発言するしかありません。また、周囲に他のメンバーもいなければ、悩み事や不満も言いやすくなります。さらに、コミュニケーションの密度が高まることで、部下との信頼関係も築くことができます。

これは、メールでも同様です。やたらと「CC」欄に複数のメンバーを入れて送信する人がいます。ただ、対象が複数人になると関心度合いが弱まり、伝えたいメッセージが届きません。

営業部門の予算を達成するには、メンバーと足並みを揃えて、同じ目標に向かって仕事に取り組む必要があります。そのため、部下との綿密なコミュニケーションが、営業マネージャーには求められます。

1対1のコミュニケーションを心がけて、しっかりと部下をマネジメントするようにしてください。