営業の心理学

スノッブ効果:商品の魅力を高めて、お客様の購買意欲を高める方法

製品の魅力を高めるには2つの方法があります。ひとつは機能や性能を改善して、製品自体の価値を高めることです。利用価値の高い商品であれば、お客様の関心が集まります。

そして2つ目が、製品の特徴づけです。製品の特徴づけというのは、高級感を演出したり、購入者を限定したりして魅力を高める方法です。

例えば、「限定品」です。ある製品が世の中に多く出回っていると、その製品の需要が少なくなる傾向があります。誰でも簡単に手に入れることができるため、魅力を感じなくなるからです。

そこで、販売数を限定して「誰でも簡単に手にはいらない」という状態にします。製品に希少性をつけることで、製品の魅力を高めることができます。多く人が、「周りが所有していないものを持つことで優越感を得たい」と考えるからです。

このように、周囲と同じではありたくないという考えが働き、敢えて他人とは違うものを欲しがる心情がうまれます。これを心理学で、「スノッブ効果」といいます。

スノッブ効果を活用することで、お客様の購買意欲を高め、効果的にセールスを行うことができます。

何が製品の魅了を高めるのか

このスノッブ効果は、日常のあらゆるところで見ることができます。例えば、ノートパソコンです。家電量販店やパソコンメーカーの宣伝文句で、次のようなフレーズをみたことがあると思います。

「シルバーカラーは15年度限定のプレミアムモデルです。15年4月初旬から予約を開始します。200台の完全限定生産です」

このように、「誰でも購入することはできない」という条件をつけます。購入条件に限定性をつけることで、製品の価値を高めているのです。

製品自体に手を加えなくても、「特徴づけ」をすることで製品の魅力を高めることができることを営業マンは理解しなければいけません。

お客様の心理にあわせて効果的にアピールする

限定性をつけて価値を高めると言っても、全ての人が希少性に価値を感じるわけではありません。流行を追いかけるのが好きな人もいれば、嫌いな人もいるからです。そのため、お客様の性格にあわせてセールスを行う必要があります。

特にアパレルショップなどの対面販売では、お客様の性格をその場で見極めて、対応することが求められます。

私は個人的にこのスノッブ効果の影響を大きく受ける性格です。例えば、ビジネススーツを購入するときです。ほとんどのスーツショップの販売員は、「流行」を勧めてきます。しかし、私は流行を勧められると、かえって魅力が失せてしまいます。

「周囲と同じである」ことが嫌いなため、あえて売れていない商品を探そうとします。そこで、いつも次のように店員に相談します。

「私は流行っているものには興味はありません。このブランドの独自のスーツなどはありませんか」

私のように、流行を好まない人もいます。営業マンはお客様の嗜好にあわせてセールス活動を行う必要があります。

そして、他人と違ったもの好むお客様にとっては、ここで解説した「スノッブ効果」は非常に有効に機能します。いかに製品を魅力的に伝えるかを、営業マンは考える必要があります。

人の心理を理解するとはいっても、必ずしも全員に当てはまるわけではありません。テクニックばかり学んでも効果が上がらない理由がここに隠されています。お客様は何を望んでいるのかを考えると、ようやく商品が売れるようになります。