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サトルクエスチョン:警戒されずにお客様の本音を聞き出す方法

 

営業マンがお客様のニーズを把握することは重要です。そこから商談へと発展するからです。そのため、営業マンは数々の質問をして、本音を聞き出そうとします。

 

しかし、一方的に質問を続けてしまうと、お客様は警戒します。「何とか売り込もうとしているな」と感じるからです。そして、本当の情報を隠すようになります。

 

そこで、お客様に警戒心を与えることなく、本音を聞き出せるテクニックがあります。それが「サトルクエスチョン」です。

 

サトルとは、日本語でさり気なくという意味です。つまり、相手に気付かれずに質問をする手法です。このテクニックによって、お客様に警戒心を与えることなく、本音を聞き出すことができます。

 

 質問をしないでお客様の本音を聞き出す手法
例えば、初対面の相手と早く打ち解けるために、共通点を探すときです。「スポーツがお好きであれば、音楽はやはりロックとか聞かれますよね」と話を投げかけます。ここで相手の答えが、「Yes」であれば問題ありません。

 

「No」であれば、相手が訂正します。「いえ、私はロックを聞かないんですよ。音楽はヒップホップ系が好きですね」というように相手から正しい回答が返ってきます。

 

ここでの目的は、ロックが好きであることを確かめることではなく、相手の本音を聞き出すことにあります。これが、「サトルクエスチョン」です。サトルクエスチョンの特徴は、相手が「質問されている」という感覚を受けないことです。

 

営業マンが立て続けに質問をすると、お客様は圧迫感を受けます。

 

「今のコピー機ですが、何年ぐらい使い続けてますか?」

 

「毎月のコストが下がれば、買い換えを検討されますか?」

 

「今はどちらの業者さんと、お取引をされていますか?」

 

これでは、まるで尋問です。そこで、サトルクエスチョンを会話の中に組み込むことによって、相手に警戒されることなく、本音を聞き出すことができるようになります。

 

 新規開拓における有効なテクニック
私は、主に新規開拓の初期段階において、このトーク・テクニックを使います。新規開拓で重要なことは、少しでも早く良好な関係を作ることです。それと同時に、「将来、自分のお客様になる可能性があるか」を見極めなくてはいけません。

 

そのため、信頼関係ができる前にお客様の本心を聞き出す必要があります。自分がお客様の役に立てる提案ができる可能性を知るためです。提案できる余地が全くなければ、「見込み客」になることはありません。そこで有効になるのがこの「サトルクエスチョン」です。

 

例えば、コピー機の営業であれば、初期訪問では私は次のように会話をします。

 

営業 「池田商店さんは富士電機さんのコピー機をお使いですので、こちらのトナーをご利用いただければコストが下がりますよ」

 

顧客 「あっ、うちは松木電機ですよ。」

 

営業 「すいません、松木電機電気さんですか。それであれば、丁度、松木電機さんの複合機で新機種が来月発売されますので、次回ご案内させていただけませんか」

 

私は事前に、「富士電機のコピー機を使っている」という情報を持っていたわけではありません。どこのメーカーを使っているのかを、聞き出すための会話だったのです。仮説を相手にぶつけて、その反応によって真意を確認するのです。

 

このように、サトルクエスチョンは、「間違っていることはつい訂正してしまう」という人間の心理を利用したテクニックです。

 

もちろん、このテクニックは何度も連発できるわけではありません。何度も間違いを犯す営業をお客様は信頼しないからです。そこで、重要な場面に活用すれば効果的です。

 

この、「サトルクエスチョン」の効果を利用して、お客様の本音をしっかりと把握できる営業マンを目指してください。全ての営業活動は、お客様の本音を理解するところから始まります。

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